心の支えは殺人鬼【ホラー映画を毎日観る人】(308日目) 「PIGGY ピギー」現在上映中
「PIGGY ピギー」(2023)
カルロタ•ペレダ監督
◆あらすじ
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スペインの田舎町、肉屋の娘サラはその外見を理由に同級生から執拗なイジメを受けていた。両親や兄弟からも理解してもらえず、居場所がどこにもないサラは自分の殻に閉じこもっていた。ある日、暑さに耐えかねたサラはなるべく人がいない時間を狙ってプールに行く。先客の怪しい男を訝しんでいるとそこへ同級生がやってくる。無視をしても続く言葉の暴力、そしてついには荷物や服を持ち去られてしまう。仕方がなく水着のまま帰宅するサラはあの怪しい男が血まみれの同級生を車で拉致する現場を目撃する。
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公式サイト↓
インパクト大のキービジュアル、衝撃の怪作です。
これをホラーと呼ぶかは微妙なところではありますが一つの映画作品としてこんなにも素晴らしいものを映画館で見ることができて感動しています。是非とも劇場に足を運び、大きなスクリーンで見て周りと感動を共有して欲しいです。
プールで同級生から言葉の暴力を浴びせられ服も荷物も奪われた帰り道では不良どもに車で追いかけ回され裸にされそうになるサラ。
静寂の中、橋の上で一人になったサラのまるで獣の咆哮のような号泣
そして拉致される同級生を目撃
帰宅し母親に小言を言われながらのシャワー
そして自室に戻ってからの心の底から湧いて出る一言
こんなにも登場人物の美しい心理描写は初めて見ました。今でも余韻をしがむくらい印象深かったです。
邦画みたいな安っぽい演出や無駄なBGMは一切なく、純粋に役者の魅力と脚本の面白さで勝負する骨太な作品です。最初は陰気でウジウジしていたサラがラストはまるで勇猛果敢なアマゾネスのようでした。復讐劇でもありスプラッターでもありますが一人の少女の成長物語というのが一番相応しいと感じました。