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ゾンビが蔓延る世界を満喫「ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~」 【ホラー映画を毎日観る人】(328日目)

「ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~」 (2023)
石田雄介監督

◆あらすじ
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ブラック企業に就職したアキラは連日の激務と上司からのパワハラで精神的に追い込まれていく。かろうじて生きてはいるもののまるでゾンビのように会社に行く日々。しかしある朝、街はゾンビで溢れかえり日常は一変する。アキラはその光景を目にし「もう会社に行かなくていいんだ」と歓喜、ゾンビになるまでにしたい100のことをリスト化してそれを実現していく。
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Netflixオリジナル作品で、原作は月刊サンデーGXにて2018年から人気連載中の「ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜」(原作:麻生羽呂、作画:高田康太郎)で、2023年の7月にはアニメ化もしています。

“ゾンビが蔓延る世界を満喫する”

という今までありそうでなかった非常に斬新な設定で面白かったです。

“明るく元気でやる気のあったアキラがブラック企業の激務と上司からのパワハラによって精神的に追い込まれ疲弊していく“

という始まり方がとても効果的なフリになっています。

パワハラ上司役の北村一輝さんは嫌なやつだけどどこかダサさや情けなさもあり滑稽で視聴者を不快にさせない演技で
素晴らしかったです。

なのでその後の“ゾンビが蔓延っているのだから会社に行かなくてもいいんだ!”という流れが違和感なく自然に入ってきます。

3年間休みなく働いていたし、どうせゾンビになるならその前にやりたいことを全部やっちゃおうと言ってまず部屋の掃除をするあたりも中々に楽しいです。窓をつたって下の階の人に「コンビニ行くんですけど何か欲しいものあります?」と軽く聞いちゃうのも面白かったです。

アキラ役の赤楚衛二さん
爽やかさと明るさが作品にマッチしていて
とても良かったです。

前半はこの斬新な設定で非常に引き込まれましたが中盤からはどこかで見たことがあるような展開ばかりで少し単調に感じました。
主人公視点のみで話が進むのでどこか現実感がなく、“政府は今こういう対応をしています”とか“自衛隊もお手上げ”みたいな描写があるとより立体的になるのかなとも思いました。

コメディに引っ張られ過ぎているのかゾンビと対峙するようなシーンでも緊張感がなく、実写だからこそできる表現やオリジナリティみたいなものがあまり感じられませんでした。

ゾンビのクオリティは非常に高いのですが感染した人間がゾンビになる過程や動き、血管の感じが「アイアムアヒーロー」のZQNに似ているなと思いました。

この血管の感じが「見たことある!」ってなります。

撮影監督の河津太郎さんとアクション監督の下村勇二さんはどちらの作品にも携わっているのですが何か関連があるのでしょうか。

あと今作のゾンビの設定についていくつか気になるところがあり

音に過剰に反応する割にはアキラと親友のケンチョが近くで喋っても気づかなかったり、音に気を取られて人間を素通りするなど視覚はほとんど失われている様子ですがシャッターの隙間に手を突っ込んだりしているので視覚があるのかないのかよくわかりませんでした。

感染する時間にも個人差があり、バスの運転手は噛まれてからおそらく数時間後にゾンビ化しましたが、その運転手ゾンビに噛まれた女性二人は噛まれた直後にゾンビ化しているので少し気になりました。

物語を進めるためにゾンビが端々で都合のいい使われ方をしているようにも思えてしまいました。

水族館のサメはゾンビを食べてゾンビ化し、食べた分だけ
ゾンビの足が生えて陸も移動できるようになるのですが
このぶっ飛びおバカなノリはかなり好きでした。

パワハラに立ち向かう

言いたいことを言う

やりたいことをやる

みたいなテーマが今の時代にマッチしていますし、アキラの「みんなを助けるスーパーヒーローになりたい」という明確な目標が最後まで一貫しているのもとても良かったです。
直接的な残酷描写もあまりないのでホラーが苦手な方でも見ることができる優しめな作品でした。

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