自作自演の都市伝説【ホラー映画を毎日観る人】(278日目) 「真•鮫島事件」
「真•鮫島事件」(2020)
永江二朗監督
◆あらすじ
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菜奈はある日、毎年恒例である部活の友人達との飲み会をリモートで開催するが友人の一人であるあゆみがいつまで経っても参加してこない。すると数日前に他の数名と共に「鮫島事件」という都市伝説の現場となった廃墟を訪れており、その時から様子がおかしかったという。「鮫島事件」という言葉を聞くだけで伝染していく呪いは一人また一人と友人を連れ去っていく。菜奈達はこの鮫島事件の呪いを止めることができるのか。
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鮫島事件とは
2001年5月24日に2chにて建てられた「伝説の「鮫島スレ」について語ろう」というスレッドが発祥で、「話題に挙げるだけで危険」、「公安が絡んでいる」等と全貌が何一つ明かされないまま噂だけが一人歩きした都市伝説です。スレッドを立ち上げた人物とスレッド内で質問をしている人物のIPアドレスが一致したため自作自演だったことが後々発覚しました。
まだごりごりにコロナが蔓延していた頃の作品のため、外のシーンではマスク着用、帰宅後はしっかり手洗いうがい、友人との久々の飲み会もリモートという3密を徹底しており今となっては懐かしさすら感じてしまいますが本当にスタッフの皆様、キャストの皆様の涙ぐましい努力と苦労を感じる映画となっています。
基本的には
“友人達が都市伝説「鮫島事件」のことを話しはじめたことで徐々に異変が起きる”
という流れのため各々自宅でパソコンの画面を通してやり取りをするという設定も非常に自然でとても面白かったです。
題材はまったく異なりますが「ズーム/見えない参加者」と手法自体は似ているなと感じました。
各々一人しかいない状況のため仕方が無いと言えば仕方が無いのかもしれませんがどうしても状況説明や長台詞が多くなりがちで、やり取りも画面上のためか台詞が被ってしまったりと少しやりづらそうでした。
また緊迫した場面や恐怖を感じている時の芝居が基本的に荒い息遣いばかりで後半あたりからお腹いっぱいになってしまいました。
鮫島事件自体が都市伝説としてはかなりふわふわしたもので結局のところただの自作自演だったというオチだったので今作のようにオリジナル要素で掘り下げていくのは非常に上手いなと思いました。何だったら上映時間をもっと長くして七つの大罪のくだりや鮫島のバックボーンなんかも見てみたかったです。