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老害ババア無双【ホラー映画を毎日観る人】(156日目)「悪魔のビンゴカード」

「悪魔のビンゴカード」(2021)
ジジ•ソール•ゲレロ監督

◆あらすじ
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廃れた田舎町オークスプリングに住むルピタは町を愛する肝っ玉おばあちゃん。ある日、町のビンゴホールがリニューアルし、Mr.ビッグと名乗る怪しい男が支配人になった。異常なまでに高い当選額に町人達は大喜びし、毎日ホールに通うようになる。しかしそこで大金を手にした者は不審な死を遂げていくのだった。
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アマゾンオリジナル作品なのであまり知名度はありませんが中々に興味深い内容でした。

田舎の過疎化した町の娯楽施設がリニューアルし、胡散臭い男が支配人に就任してからというもの住人達は金に執着するようになり心が狭くなる。町の名物おばあちゃんは「皆が変わったのは支配人のせいだ!」と声を上げ立ち向かい、最後は皆と協力して成敗する

といった感じの痛快なお話なんですけど
これってよくよく考えてみると地方に移住したり新規出店した人達が地域住民に受け入れてもらえずイジメられて追い出されてしまうというどこの国にも存在する排他的、閉鎖的な田舎を表している

という風に観ることができると思います。

作内でMr.ビッグの正体は町人を狂わせる悪魔だったので、もちろんおばあちゃん達は正義のヒーローなんですけど、最後は老人達にボコボコにされた上に火を放たれホールごと燃やされるのはなんだか切なくなってしまいました。
Mr.ビッグが人々を狂わせる動機みたいなものが何も描かれてなく、そういった部分が描かれていれば純粋な悪者として観れたのかもしれません。

実際、ルピタは町を訪れた若者にわざとぶつかるなどの嫌がらせをする、連絡が取れなくなった友人宅の窓を特殊警棒で叩き割って侵入する、ショットガンを持って施設に乗り込む等かなり問題行動が多く、周囲からもやり過ぎだと注意されている描写があります。被害を受けた側からしたら完全に老害ババアでしかないんですよね。

最後はイイ感じに
「町は町でしかない」、「私達がオークスプリングだ」、「みんなが一緒にいる限り場所なんて関係ない」というような発言があり、もしかしたらルピタは町を愛すると同時に一番の支配者なのかもしれません。

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