与えられた場所で咲くを知る
街から港まで歩いていた。
立派な法面の間を行く。
法面を見るといつも見事な掘削のしごとに感心すると同時に、削られた森の、山の、尊い呼吸が止められた苦しさを思う。
この反り立つ壁を見上げていると、
ごくわずかな隙間から命が。
ごくわずかな隙間を感知し、太陽を求めて這い出た執念深い生命力には感嘆せざるを得ない。
こんなに細い穴から出てきて幹が太くなるのか、穴以上には太くなることができないのならどのように成長していくつもりなのか、その後先も考えず、ただ、いま出てきたといった顔つき。
わたしもこのいまをがんばろうと思った。
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