みるくしぇいく
目の前に見えている。
あと一歩の先に見えている。
無機質なグレーの扉。
その向こう側。
待っているのはどんな人。
PM3時の昼下がり。
繁華街の路地裏。
老若男女がぽつりぽつり。
捨てきれぬ恥じらい。
油断できぬ歩行者の視線。
昼下がり。
「そこ」に入る勇気。
彼らはどう思うだろう。
汚いか、みっともないか、情けないか。
自分自身がそう思うからこその否定的感情。
「そこ」へ行く自分は汚い?
みっともない?
「そこ」で働く人の気持ちはどうなるの?
彼女たちを蔑ろにする自己中な感情。
見下す彼女たちに気持ちよくしてもらう。
それで本当に満足なのか。
僕はそれで満足するのか。
相手を理解すれば良い訳じゃない。
理解しようがない。
日常の話し相手にも
友人にもなれる存在じゃない。
その場限りの関係性。
だからといって蔑んでいい訳ない。
敬う心。それは大事なはず。
敬えないような人間。
そんなんだから足を運ぶのか。
金払って気持ちよくしてもらえればそれでいい。
きっとそう思ってんだろ。
ー某繁華街のピンクサロンの前にて
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