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大学生がCES2025とシルク・ドゥ・ソレイユ行ってみた【世界一周3日目】

ラスベガス2日目。昨日と同様CESの視察を中心にラスベガスを満喫するという予定パンパンの一日が始まりました。
昨日とは違いVenetianの会場ではなくメインのLVCCの方の会場に行きます。東西南北でステージが別れており、また会場の広さも自動車が多かったこともあり桁違いに広い、倉庫のような印象を受けました。

BRUNSWICKの展示
このくらいの規模の展示が100以上ある


CESの感想や学びはまたまとめで別の記事にするため、今日も特に気になった・面白かった展示を3つだけ紹介する形にしたいと思います。

1.SUZUKI(日本):自動運転やAIバブルへのカウンターカルチャー的な「少・小・軽・単・美」

正面から見たSUZUKIの展示

2日目で一番喰らったのは今年初出展であるSUZUKI。AIや自動運転、半導体、web3など様々な新しいテクノロジーがバブルのように流行し、どれだけ最先端でビッグなものを見せれるかという流れができているCESにおいて、日本特有のシンプルな考え方やコンパクトな技術が逆に異色を放っているように感じられました。未来的な形状の車体が多めな中、まさかの日本でよく見る「軽トラ」を真ん中に展示。

明らかに目立っていたSUZUKIの軽トラ

また、自動運転の流れに置いていかれているのかと言われるとそういうわけでもなく、アメリカのベンチャーとタッグを組んでタクシー×電車の自動運転車体GLYDWAYSを開発したそうです。全ての移動手段の中でもトップレベルにコスパとタイパが良いのが長所で、既にアトランタやサンノゼの一部地域、さらには日本でも採算の取れない鉄道会社の代替として運行予定とのことでした。SUZUKIの強みである少小軽単美と勢いのあるベンチャー企業の自動運転技術が組み合わさったGLYDWAYSには多くの外国人が試しに乗りにいっていて、まだまだ自動運転分野でも戦っていくという日本企業の意地を感じました。

GLYDWAYSの車体
公道ではなく専用のアスファルト道を進むそう

2.CALIVERSE(韓国):VRグラスとAIを統合させた圧倒的なライブ感

K-POPとEDMのライブをVR体験できる

僕がこの日かなりの時間を使ってしまったのがこのCALIVERSEのVRを中心とした展示です。CESの目玉としてVRグラスはかなり注目を浴びるそうですが今年は思ったより少なく、せっかくだから1番大きいCALIVERSEで試してみようと思ったのがきっかけでした。実際につけてみてaespaとtomorrowlandのライブを体験してみたのですが、思っていたより10倍くらい臨場感が凄く、まるで目の前にいるかのような体験は本当に凄いものでした。VR内のライブセットをAIで生成しているらしく、実際にその生成過程ではプロンプトを打つだけで3DCGソフト内にオブジェクトやテクスチャがポンポン出てくる感じで、3DCGの未来を感じました。CALIVERSEに30分居続けてしまったのも、「3つのVR体験を試してステッカーを集めると豪華景品が当たるガチャが貰える」という工夫があったからで、人を留めておくプレゼンの上手さというものを実感しました。

3.AFEELA(日本):SONY×HONDAの実用化段階EVのシンプル且つ精巧なプレゼン

AFEELAはソニーとホンダが共同で設立した合弁会社ソニー・ホンダモビリティによって発表された、次世代の電気自動車ブランドでで、主に高性能な電動モビリティと最先端のデジタル技術を組み合わせた新しいタイプの車両だそうです。2023年にCESで初めて発表された車体と比べるとかなりコンセプトカーから販売のフェーズに移っている印象を受けるらしく(あくまでも聞いた話です)、いよいよEVの展開が本格化するという実感が湧きました。一番面白いと思ったのは奥に配置されている車体以外にほとんど何も置かないというシンプルで強気な展示方法で、スポーツカーの展示を思わせるようなその工夫は実際に多くの外国人の集客に繋がっていました。LGやSamsungなどほんとに最先端の技術を組み込んだ圧倒的な展示も度肝を抜かれましたが、ひとつ工夫を加えてあえてシンプルにすることでより展示を際立たせるという狙いが見事に当たっているように思えて気持ちが良かったです。
となりにSONYの展示もあったのですが似たようにシンプルで、かつ家電をほとんど置かないという構成でかなり攻めている印象を受けました。

CESの展示を見たあとは少し移動し、シルク・ドゥ・ソレイユの公演"O"を見ました。ラスベガスで3箇所ほど開催されているシルク・ドゥ・ソレイユの中でもラスベガスのベラージオ・ホテル内で上演される"O"は一番人気らしく、水をテーマにしているとのことでした。一番驚いたのは劇場の舞台が巨大なプールを兼ねていて、舞台装置によって水中と地上を自在に行き来していたという点です。サーカスを見るのは初めてだったのですがパフォーマーたちが水中から飛び出したり、空中ブランコ、火芸など多彩なパフォーマンスによって終始唖然とさせられていました。おそらくですが具体的なストーリーラインは存在せず、観客側が自由に解釈できるようになっているのかなと感じました。名前だけ知っていてあまりちゃんとしたイメージは湧いていなかったのですが、シルク・ドゥ・ソレイユを実際に見てみるとあまりにも触れたことの無い文化であったため「これはほんとに凄い」という感想しか出てこなかったです。

3日目の学びとしては、日本が世界の中でどのくらいの位置にいるのかを認識することが大切だということです。正直いうと、CESを2日間通して見ると日本のテクノロジーは最前線にいる韓国や中国に比べると1歩遅れている印象を受けてしまいました。しかし、ついていけていないかと言われるとそういうわけでもなく、むしろ日本ならではの戦い方で世界と戦っている印象を受けてかなり良い印象を受けたのも事実です。
日本が技術やテクノロジーにおいては世界で1番であると信じている人ももしかしたらいるかもしれません。日本にいるとどうしてもエコーチェンバー的に国内の情報やコンテンツを消費し続けてしまい、他国と比べてどのくらいの位置にいるのかわからなくなってしまいがちです。そんな中で1歩外に飛び出してみて、外からの視点で日本を見つめ直すことこそが、今後も技術面で戦っていく上では大事なんじゃないかなと思いました。

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