
速すぎるぜ、テクノロジーの進化
先日『テクノロジーの世界経済史』のあらましを記したときに
次のような問いをピックアップしたが、僕はエンジニアではないが、これからのエンジニア業界も気になるので
“なぜ平均的なデザイナーの賃金が上がらないのか? ”
その答えである「デザイナー業界のテクノロジーと仕事のやり方が、絶えず変化しているから。」というのを少し深掘りしてみる。
思い出したのは“ヨコイズム”、任天堂の技術者だった故・横井軍平氏の「枯れた技術の水平思考」というやつだ。
「枯れた技術」というのは、「すでに広く使用されてメリット・デメリットが明らかになっている技術」であり、ハイスペックの最先端技術ではなくコストも安い。
また、ここでの「水平思考」は、いわゆる言葉どおりのラテラル・シンキングではなく、もっとシンプルに既存の技術や知識などを、他の分野や領域に対して適用する考え方だろう。「横展開」とか「水平展開」とか「転地」とか似たような言葉が多い気もする。
この「枯れた技術の水平思考」に関する名言を引用する。
最先端技術に関しても、飛びつくな、じっと見守れ、
娯楽に使える値段まで落ちた時に狙えと言いつづけてきました。
(中略)
本当の先端技術を使ったら売れるものはできません。
娯楽の世界ではそんな高い商品は誰も買ってくれないのです。
私は世の中を見て「枯れた技術」を使えと言っている。
(中略)
もともと先端技術は娯楽品をつくるために出てきたものではありません。
軍事であったり医療であったり、そういうもののために出てきた技術です。
それがだんだんいろんな用途に使われていくうちに値段が安くなっていく。
やはり最先端のテクノロジーを追いかけても、必ずしもビジネスとして成功するというわけではない。テクノロジーの進化が速すぎると感じる今日この頃。
これまでの常識と異なり、“先行者利益を信じる人が驚く「ほぼ幻」という真実”とされているし、要はもっと皆、“おちつけ”ということではないだろうか?
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自分も含めて、人間誰しも「最先端」とか「神様」には何の疑いもなく迎合しちゃうのだろうど“ちょっと待てよ”と自分の頭で考えての気概は必要だろう。