「きまっし」石川県能登料理~カワハギの刺身とおふくろの味に出会える場所~
おいしいお刺身が食べたい!そんな方におすすめしたいのが、日本海の新鮮な海の幸を味わえるお店。JR本八幡駅南口から徒歩3分、能登料理「きまっし」さん。
お店の人気料理は、カワハギのお刺身。肝ポン酢をつけていただくカワハギのお刺身は、絶品の一言に尽きる。日本酒との相性も抜群に良い。このめずらしい料理を目当てに通うリピーターさんも多いという。また、カワハギのお刺身以外にも、石川県出身のおふくろさんの味をいただける。何を食べてもおいしいので、もはやメニューを上から順番に制覇したくなってしまう。そんな「きまっし」さんの魅力に迫るべく、ご主人にインタビューをさせてもらいつつ、お店のおすすめポイントを紹介したい。
(1)きまっし=能登の言葉で「いらっしゃい」
「きまっし」はご家族で経営されている。本八幡にお店を出して18年。
3年前には同じく本八幡で、2店舗目をオープンさせた。
「私の母が石川県出身なんです。それで父が石川県の魚を現地で食べたときにえらく感動して。この味を東京でも提供したいと考え、お店を開いたそうです」
さっそく店内へ。ドアを開けると、ぱっと明るくアットホームな雰囲気が広がる。
「うちのお店は鮮魚を取り扱うので、明るい雰囲気の内装にしたかったんです」というご主人。
店名の「きまっし」とは、石川県の方言で「おいで」「いらっしゃい」という意味。石川出身の母が、お客さんに気軽に訪れて欲しいという想いを込めて名付けたという。
取り扱う魚の多くは、能登港直送。
同じ種類の魚でも能登沖の魚は味が全然違うという。身内に漁師さんがいることも、いつも新鮮な魚を提供できる理由の1つだ。また、石川の魚には辛口の日本酒が合うという。おいしい日本酒が多い石川県において、特にお刺身と相性のいいものを選んでいる。
(2)看板メニューはカワハギのお刺身
「人気はカワハギのお刺身。味はもちろん自信がありますが、見た目もできるだけ美しく盛り付けることにもこだわっています。また肝ポン酢も喜んでもらっていますね」
カワハギは1年を通して安定供給が難しい魚の1つ。関東ではなかなかお刺身で提供しているお店は少ない。しかし、きまっしさんでは地元石川県の知り合いとのネットワークを築く中で、これを実現させている。
「もともとは肝ポン酢での提供はしていなかったんです。だけど、地元出身のお客さんや常連さんにリクエストをしてもらって試行錯誤をしながら、現在の肝ポン酢が誕生しました。」
ご主人は東京生まれ。石川をよく知るお客さんからの意見がありがたかったという。そうしてお客さんが食べたい味をとことん追求していくうちに、現在のきまっしの味が作られていった。
サラリーマンを辞めて、およそ20年前に両親の稼業を継いだご主人。
会社勤めから一転自営業となり、はじめは戸惑うことも多かったという。
その中でも、自分の意見をすぐに反映できるこの仕事にやりがいを感じている。
新しいメニューやお店の内装・デザインを考えること。また、お客さんの喜ぶ味を追求していきたいと常に研究を続けている。
(3)おすすめのメニュー
今日のお通しは、切り干し大根。
大根の苦みが良いアクセントになっている。ちなみにきまっしさんのお通しは、いつ来てもおいしい。お通しがおいしいから、他のメニューも間違いなくおいしいという期待になる。
そして、今回は特別にご主人から、いくつかおすすめ料理を紹介していただいた。
まず1品目は「つくね」
オリジナルの自家製つくね。白ごまを混ぜることで、食感がこりこりする。タレは甘辛く、ビールが進む。
続いて2品目は「イカの黒作り」
こちらは能登の名物料理のイカ墨で作った塩辛。爽やかな柚子の香りが食欲をそそる。このタイミングで日本酒を注文。能登のおやじを冷酒でいただく。石川のつまみを石川のお酒で飲む。ふっと目の前に日本海の景色を想像しつつ、くいっと流し込む。
最後に3品目は「ブリの照り焼き」
外は香ばしく、中はジューシー。おふくろの味で、ほっと懐かしい気持ちにさせてくれる。
このほかにも多数のメニューを取りそろえている。お刺身はカワハギ以外にも、ヒラメ、シマダイ、ホタルイカなども人気。
その他の一品料理については、ご主人の母がおふくろの味で提供してくれる。何を食べてもおいしいので安心して注文して欲しい。
中でも私のおすすめは揚げ出し豆腐。アツアツの豆腐の上に甘みと酸味のきいた餡がとろ~り被さって、絶妙な味わい。箸がとまらない。
お通しや揚げ出し豆腐、といった、ちょっとした料理まで、記憶に残るおいしいさを届けてくれるのがきまっしの魅力。
何を食べてもおいしいので、メニューを上から順番に頼んでいきたくなってしまうお店はないだろうか。まさに、それが「きまっし」である。
仕事帰りにぷらっと一人で。大切な人と特別な話をしたいときに。気の合う仲間とわいわいやりたいときに。
様々な場面で、お店を利用して欲しいというご主人。
新鮮なお刺身と辛口の日本酒。仕事に情熱を捧げるご主人と、おふくろの味が、本八幡の街を明るく照らしている。
さあ、今夜あなたも、カワハギを食べに、本八幡に「きまっし!」