[創作]よく母に聞かされた、懐かしいお話

人里離れたところにお葬式をしない村がありました。不思議なことに死ぬ者がいないのです。その理由は、村の近くの森に魔女が住んでいたからでした。

その魔女は普段、森の中で薬を作ったりして暮らしていました。ですが時々、森から村に出て、さまざまな塗り薬を与えていたので、村人たちに慕われていました。

何度目ものある日、魔女様に会いに行こうとした男がいました。周りの者は魔女様の迷惑になるからやめろと止めました。
ですが男はその説得を振り切り、一人で森に入ってしまいました。

その後、その男のことを思い出せる村人はいませんでした。

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