ジャズ漫画〜BLUE GIANT〜
ビッグコミックで連載されているジャズを題材とした漫画「BLUE GIANT」はご存知でしょうか?
私自身、知ってはいたものの読んではいなかったのですが、昨年公開された映画をきっかけに一気にハマりました!
作品は仙台と東京を舞台にした第一部「BLUE GIANT」、ヨーロッパが舞台の第二部「BLUE GIANT SUPREME」、アメリカが舞台の第三部「BLUE GIANT EXPLORER」、ニューヨーク編の第四部「BLUE GIANT MOMENTUM」となっています。
今回は映画の題材にもなった第一部の「BLUE GIANT」にフォーカスを当てて紹介していきます。
①仙台編
宮城県仙台市に住む中学3年生の宮本大は、将来何をしたいのか分からず学生生活を送っていました。ある日友達の誘いで行ったジャズ喫茶をきっかけに、ジャズの演奏を目の当たりにしたことで、サックスプレーヤーを目指すことを決意します。
高校生になった大は、毎日学校帰りに河原でサックスを練習し続けます。知り合った楽器屋の店主からライブ出演の誘いを受け、ジャズバーで出演しますが、常連客からうるさいと罵声を浴びせられステージを降ります。
その後、大が出演したジャズバーのマスターから音楽教室の講師・由井を紹介され、レッスンを重ねていきます。
サックスプレーヤーになるために高校卒業後は上京することを決意した大は、上京前に最初のステージで罵声を放ったジャズバーの常連客を招いて、最後の演奏を披露します。
ここまでが簡単なあらすじです。
この作品の不思議なところが漫画なのに音が聴こえてくるような感覚になるところです。ジャズ素人の私でも画だけでジャズの迫力が伝わってきます。
また、最初の舞台を仙台にしたのは、担当編集者が仙台出身であることに加え、9月に開催されるジャズフェスティバルなど仙台にジャズの土壌があると感じられたことからのようです。第1話は大が仙台市内の広瀬川の土手で、夜1人で練習する場面から始まります。このシーンから広瀬川が主人公の出発点ということを表現しているようです。
②東京編
上京後、あてのない大は、進学上京していた同窓生・玉田の家に上がり込み居候を始めます。
都内のジャズライブハウスを回っていた大は、ピアニスト・沢辺雪祈と出会い、二人でバンドを結成します。2人きりでの練習が続くなか、ドラマーが必要と感じメンバー募集を始めます。
大は玉田をドラマーにしてバンドに加入させることを思い立ち、雪祈に提案します。素人の玉田を加入させる事に当初は反対していましたが、大と玉田の熱意を認め、玉田がバンドに加入します。
3人は「JASS(ジャス)」を結成し、ライブを重ねていくことで徐々に人気になっていきます。手ごたえを感じ始めた「JASS」は、日本最高のステージ「SO BLUE」への出演を目指していきます。
映画で題材になったのは、東京編からになります。雪祈との出会いがキーポイントです。仙台編もそうでしたが、この漫画は人との出会いと別れがうまく描かれているなと感じます。その時にどんな人と出会い、どんな事をするのかがジャズや人生に大切だとわかります。
日本最高のステージ「SO BLUE」は、東京の南青山にある「Blue Note Tokyo」がモデルになっています。ニューヨークの「Blue Note」を本店に持つジャズ・クラブで、様々なアーティストが出演しては連夜賑わいを見せているライブスポットです。
また、映画の音楽は上原ひろみ氏が担当しています。上原ひとみ氏はグラミー賞「ベスト・コンテンポラリー・ジャズ・アルバム」を受賞するなど日本を代表するジャズ・ピアニストです。
劇中の音楽も躍動があり、ジャズ素人の私はジャズの音圧に圧倒されました。笑
漫画、映画どちらからスタートしても楽しい作品です。