移動式本屋〜BOOK TRUCK〜
気温も落ち着いてきてすっかり秋らしくなってきましたね。秋になるとなぜか読書がはかどりませんか?今回は大型バンで各地に出店している移動式本屋「BOOK TRUCK」を紹介します。
BOOK TRUCKの店主・三田修平氏については過去の記事でも取り上げているので、よろしければそちらもご参照ください。
BOOK TRUCKは2012年に始動して以来、日本各地のイベントやキャンプ場、野外イベントなどに合わせて各地を周ってきています。
バンに詰め込まれた本は約500冊あります。毎回、場所やイベントに合わせて本をセレクトしているようです。どこでも買えるような本ではなく、なかなか出会えない本を意識してセレクトされています。
新刊と古本がハイブリッドに揃っており、大型書店では見られないセレクトが面白いです。
空間作りにもこだわりがあります。子供が多い場所なら絵本を手に取りやすいところに置いたり、広いイベント会場では遠目から見ても楽しげなディスプレイにしたりと思わず立ち止まりたくなる空間になっています。
何よりパステルブルーの大型バンが、アイキャッチとなりとてもかわいいです。
店主の三田氏は、学生時代は会計士になろうと勉強を進めていましたが、誰かを豊かにしてけれる本とうまく出会えるような仕組みを作りたいと考え、書店に就職しました。
その後7年ほど働き店長も務めたのち自分で店をやる決断をします。まずは仕入れのために車を買おうと考えていた矢先、「車を店にしてみる」というアイデアを思いつきます。
今でこそあまり見かけませんが、昭和の時代には自治体が運営する移動図書館が多くありました。そこからも着想を得たようです。
神奈川県の若葉台団地でも書店「BOOK STAND 若葉台」を構えている三田氏ですが、移動式本屋ならではの強みもあります。
BOOK TRUCKであれば、お客さんを待つのではなく、お店の方から本を好む人のところに出向いていくことが可能です。そうすることで今まで繋がらなかった本と人が出会う場所を提供できます。
面白い取り組みとして一つ取り上げたいのが、「旅する本屋さん YOASOBI号」です。小説を音楽としているYOASOBIとは親和性が高いようで、ツアーに帯同してBOOK TRUCKが出店しています。このプロジェクトのコンセプト「聴いたら読みたくなる、読んだら聴きたくなる」は、何か引き寄せられるものがありませんか?
今では欲しい本は簡単にネットで買える時代です。そのため、全国的に書店が苦戦しており減少しています。しかし、こういった時代だからこそ本を買ってる時間や、選んでいる時間が楽しいと改めて感じられます。BOOK TRUCKの取組みのような、本と人が出会える場が増えていくと楽しい世の中になっていきそうです!
https://www.instagram.com/book_truck?igsh=bmNwbTY2NDJxMG43