心のタイムマシンで。
毎日忙しく今を生きている。
振り返る事なく。
いや、振り返る暇もなく。
思い出に残しておきたいことを
ここに置いたり、日記に書いたり。
人は不思議なもので
どんなに良い事でも悪いことでも
思い出の形が変わる時がある。
あの時、あんなに嬉しかった事
あの時、あんなに辛かった事。
月日が経てば忘れてしまう時もある。
今、苦しかったり楽しかったりする感情も
時間を重ねると薄れていくかと思うと
安心するし、怖くもなる。
だけど、道端で懐かしい香りがすると
一瞬タイムスリップした感覚に陥る。
忘れたくなかった出来事や
2度と思い出したくない出来事。
あの日、持っていた感情が
生々しく。
さも、私があの日に戻ったかのように。
不思議な事に私の心のタイムマシンは
辛い出来事の方が優先されるみたいだ。
人間って、不思議だ。
あんなに忘れていたはずの思い出。
ふと香りで思い出してしまうなんて。
道端の金木犀やあの人の香水。
シャンプーや柔軟剤の香り。
心のタイムマシンは容赦ない。
一瞬であの日に戻る。
楽しいあの日も
悲しいあの日も
戻ってみても過去は過去。
未来の私が
心のタイムマシンで
辛い出来事を思い出さないように
今の私は楽しく生きていくしかない。
素敵な香りを身に纏って。