
「あしたから出版社」島田潤一郎/本
また冷えこみが厳しいここ数日。
先日、島田潤一郎さんの「古くてあたらしい仕事」を読んで、
もう少し、この人の本を読みたいな、と思って購入したのが
「あしたから出版社」。
内容としては両方の本に共通していることもあるし、
そうでない内容もある。
いずれにしても、こちらの本も、島田さんの人柄が伝わってくる一冊。
僕は興味がわくと、同じ著者の本ばかりを読む癖があるので、
島田さんについては、この流れに乗りそう。
本が好きな人なら、
自分の好きな作家や作品を、自分好みのページレイアウトや装丁で、
作ってみたいと思うことはあるだろう。
僕も最近、何となく老眼になってきたので、もう少し字を大きくとか
この作品なら、別の装丁がいいなあ、とか思うことがある。
版権のことなどあって、そうそう簡単には行かないだろうし、
出版社の経営となると、損益分岐点も考えなきゃいけないし、
そうそう自分の好きなことばかりはできないだろう。
それでも、島田さんの立ち上げた夏葉社は、
島田さんの好きな、将来に残していきたい作品を出版している。
それで経営が成り立つ、なんてとてもすごいことだと思う。
この本には書かれていない、ご苦労が山のようにあったんだと思う。
島田さんの本を読んでるときは、
「僕もやれるかな」とふと思ってしまうよな、
語り口の優しい文章。
でも、読み終わると、「いやいや、とてもとても」と現実に引き戻される。
本の中に入りこんで、一時の夢を見ることができるのも、
読書の楽しみの一つ。