マガジンのカバー画像

それもあなただ(小説まとめ)

27
自作の小説をまとめたマガジンです。
運営しているクリエイター

#純文学

宙に文字をひらう(小説)

 母は小説家だった。  高校時代に執筆を始め、大学時代に目立つ賞をいくつか取り、流れのま…

110
柴田彼女
1か月前
4

おいしい隣人(小説)

 その、本当に言い出しにくいんだけどさ、最近極端に痩せてきている気がするんだけど……だい…

110
柴田彼女
3か月前
4

完璧な恋人(小説)

小説  マッチングアプリで知り合った、と他人に告げることに、なんとなく抵抗があるのは私が…

110
柴田彼女
4か月前
5

みんな私の邪魔をしている(小説)

 周りの人たちは因習だとか時代遅れだとか犯罪だとかいろいろ言っていたけれど、私は別にそれ…

110
柴田彼女
4か月前
3

魔法少女は卒業できない(小説)

 チッチは、 「ああ、君こそ魔法少女に相応しい。その秘められた力で、世界を救うんだ」  私…

110
柴田彼女
4か月前
4

悲しくておめでとう(小説)

 まだ上手に一人で歩けなかったころ、膝をすりむいて泣いてしまったある日の夜、父は家族三人…

110
柴田彼女
6か月前
3

そこにあるもの(小説)

 カロリーメイト、インゼリー、エナジードリンク、時々、カップ麺。  昼時の綿野くんの食事を見ていると、作業、という言葉が容易に浮かぶ。食べるのがそもそも好きじゃないのか、作ったり買ったりが面倒くさいのか、片手間で充分だと思っているのか。PCの画面を睨みながら、綿野くんはいつも嫌そうな顔をして昼食を摂っていた。  昼休みは食事時間込みで一時間ある。私は大抵お弁当を持参していて、綿野くんの隣でそれを食べる。  私は料理が好きだ。野菜や魚や肉が食料になり、食料が食材になり、食材が

¥110

しおりちゃんの家(小説)

 しおりちゃんの家はなんだか少しおかしい気がする。お母さんがいつも笑っている。突然遊びに…

110
柴田彼女
7か月前
1

ここから真っ直ぐに切り取ってください(小説)

 母はそれを「パズル」と称していた。  父と、母と、私と、祖母と。四人で暮らす私たちは、…

110
柴田彼女
7か月前
1

I don't know(小説)

 妹は死産だった。  それがひどく悲しいことであることは、八歳の私にも充分に理解できてい…

110
柴田彼女
9か月前
2