アモルファス・バクテリア
十万人に一人。胎児が腹の中で瞳を食われる確率だ。
これを少ないと思うか多いと思うかは人それぞれだろう。
けれど【瞳を食うバクテリアは全人類の九割弱が保有している】、こうなればほとんどの人は「多すぎる」と感じてしまうのではないだろうか。だが、それでも大抵の人々はそれをただ腹の中で飼っているというだけのことだ。ほとんどの人間は一生そのバクテリアの所為で腹痛を引き起こすようなことはなく、内臓を食い荒らされることもなければ肉を腐らせることもなく、ただ宿主としてその腹を提供するだ