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1939年に発表された谷崎潤一郎の随筆『陰翳礼賛(いんえいらいさん)』は、日本の美意識を広く海外にまで伝えている本の一つです。日本人がいかに薄暗がりが好きかということを独特の文体で描いたこの書は、日本の美学に興味を持つ外国人やデザイン、建築を学ぶ学生にとっては必読書となっており、哲学者のミシェル・フーコーや世界的な建築家である安藤忠雄らも大きく影響を受けたとされています。 陰翳とは何か「陰翳」とは光の当たらない暗がりのことですが、真っ暗な闇を指しているのではなく、光の存在を