#23 木鶏
“木鶏” (木製のにわとり。 敵に対してまったく動じないことのたとえ)
紀元前九世紀、周王朝の時代の中国でのこと。
紀渻子しという人物が、王のために闘鶏の鶏を訓練することになった。
10日経って王がようすを尋ねると、
「まだです。やたら強がってばかりですから」との答え。
また10日後、再び王が尋ねると、
今度の答えは、「まだです。ほかの鶏をにらみつけていますから」。
さらに10日が過ぎてから王がようすを尋ねたところ、
「仕上がりました。ほかの鶏が鳴いてもまったく反応せず、
『之を望むに木鶏に似たり(木製の鶏の人形のように見えます)』。
完璧です」と答えた。
若いころは吠えるのが仕事といっても過言ではないぐらい吠える。
しかし、それは本当の強さではない。
“動じない心”(不動心)という人生態度を身につけた人が本当の強い人。
だが、最初から木製の鶏である必要はない。
むしろ、吠えることができる元気のある人間が、成長して”木鶏”に近づくことが正解なのだと思う。
様々な出来事に心が揺れ動くことも必要である。
しかし、年齢を重ねたら、
「受け入れる」という作業が大事になる。
「これは何のメッセージだ?」
一喜一憂せず、目の前の出来事を「受け入れる」。
そして、覚悟を決めて「受けて立つ」。
このような姿勢を身につけたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?