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#39 出し切る
致知出版社
小久保裕紀さんの記事
—伸びる人と伸びない人の差ー③
王貞治監督から教わったのも、「練習の時に楽をするな。苦しめ。体を120%使え」ということでした。
例えば、個人ノックを受ける時、1時間くらいやらされるのかなと思い、最初から体力を温存している選手は、いくらやっても身になりません。
常に全力でボールを追う。たとえ20球でへとへとになって倒れたとしても、その姿勢を続ける選手は確実に上達していく。
打撃練習でも、7割くらいの力でバッティングをしている選手は絶対に伸びません。
そうではなく、来た球をどれだけ強く振って遠くに飛ばすか。100の力を出し続け、一球一球を真剣に打つ選手は間違いなく成長していく。
ですから、いま私は若いプロの選手たちに
「計算するな。出し切れ」と伝えているのです。
最近、入社後数年で転職する人が増えていると聞きます。それを全否定するつもりはありません。
ただし、転職するならば、まずは現在勤めている会社で必要とされる人材となり、周囲から惜しまれて辞めるべきだと思います。
そうでなければ、他の会社に行っても活躍できないでしょう。いまいる場で必要とされる人材になるには、やはり出し切ることが不可欠です。
力を温存する人は伸びない。
計算とは賢い選択ではあるが、成長期の人にとっては成長の妨げになってしまう。
何ごともスマートにやるのが現代の風潮。
しかし、本当にそれでよいのだろうか?
成功者は毎日、何かを成し遂げようと必死に生きている。出し切っている。
だからこそ、言い訳をしない。
中途半端だから愚痴や言い訳が出る。
「一生懸命だと知恵が出る。中途半端だと愚痴が出る。いい加減だと言い訳が出る。」
武田信玄の言葉です。
「中途半端は何もしないよりなお悪い。」
朝倉千恵子先生の言葉です。
愚痴が出るのは中途半端だから。
愚痴が出ないぐらい本気で取り組めるもの。そのようなものに出会えるか否か、そのように取り組めるか否かで、人の人生は決まるように思う。
計算高い人間より、出し切れる人間に。