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#929 見せたい自分の姿
忘れてはいけないのは、SNSで見ている他人の日常や人生は、切り取られたハイライトなのだということ。スポットライトの当たったところばかり見ていれば、自分の日常に比べて輝いて見えるのは当たり前なのだ。しかし彼らにも光の当たっていないところに、私たちと同じように〝平凡な〟日常が存在している。SNSで見せている「自分」は「見せたい自分の姿」である。嫌でも可視化される他人の評価を意識して投影した理想の自分だ。それは「他人にこう見られたい」という欲望の裏返しなのである。
SNSに投稿される内容は、
あくまで「見せたい部分」だけを
切り取ったものであり、
その人の生活の全てではない。
旅行の写真、おしゃれなカフェでの食事、
成功体験など、輝かしい瞬間が中心となる。
こうした投稿を見続けていると、
「他人はみんな充実した生活を送っているのに、
自分の日常は平凡でつまらない」と感じてしまう。
しかし、実際には誰にでも
地味で退屈な日常があり、
SNSに映らない部分が多く存在する。
仕事でのミスや孤独を感じる時間、
何気ない日常のルーティンなどは、
ほとんど投稿されない。
SNSで見せる自分の姿は、
他人の評価を意識して作られた
「理想の自分」であることが多い。
いいねやコメントをもらうことで
承認欲求が満たされるため、
多くの人は「こう見られたい」と思う
自分を意識的に演出する。
つまり、SNSに映る姿は本当の自分ではなく、
「他人に良く思われたい」という欲望が
反映されたものなのだ。
タイムラインに出てくる
キラキラな人と自分を比較しても
何も成長しない。
そして、彼ら彼女らにも
私たちと同じような日常が
あるということを忘れてはいけない。