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#38 タイミング
致知出版社
小久保裕紀がイチローから学んだこと
—伸びる人と伸びない人の差ー②
大きな転機が訪れました。大スランプに陥っていた私のもとに、2人の方から全く同じ本が同じ時期に届いたのです。それも野球に関する本ではなく、経営コンサルタントの草分けとして知られる舩井幸雄先生の『エヴァへの道』。
こんな偶然が重なるとは何かのメッセージに違いない。そう思い読破して以来、舩井先生のファンになり、ほとんどすべての著書とその中で紹介されている他の方の本を渉猟しました。
「人生に起こることはすべて必然で必要だ。しかもベストのタイミングで訪れている」
舩井先生のこの言葉は単に心を鼓舞されるだけに留まらず、次第に私の人生観へと昇華されていきました。現役時代、調子のいい時に限って怪我をしたり、デッドボールをぶつけられて骨折したことが何度もあります。
そういう時、普通は「なんで俺だけがこんなことに……」と運命を呪い、ぶつけてきた投手を恨むでしょう。しかし、この怪我や骨折すらも自分にとって必然必要であり、ベストなんだと受け入れることによって、後ろ向きに捉えがちなリハビリに前向きに一所懸命打ち込めるようになりました。
捉え方は人それぞれ。
何で自分ばっかりこんなことが・・・
これは自分にとって必要なことだ。
どう思うかは人の自由だが、起こってしまった事実は同じだし、変わらない。ならば自分が成長できる捉え方をした方が何倍も得である。
例えはよくないが、運転をしていて警察に止められた時、「他にやることあるだろ!もっと悪いことしているやついるだろ!」などと言う人がいます。でも、それを言ったところで違反が取り消されるわけではない。
ならば、「今、止めてもらえなかったら、事故を起こしていたかもしれない。ありがとうございます」と言ってみる。
凄い人間ですね(笑)
罰金を払うという結果はいずれも同じ。だが、人間としてはどちらが成長しているかといったら、一目瞭然であろう。
成長できる事実の捉え方を訓練していきたい。
「人間は一生のうちに逢うべき人には必ず逢える。しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に。」森信三先生の言葉である。
今、目の前にいる人は自分にとって必然必要な人。今、目の前で起きている出来事は自分にとって必然必要なこと。全てはベストタイミング!