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【インド映画】マガディーラ 勇者転生(2009)
監督:S・S・ラージャマウリ
出演:ラーム・チャラン、カージャル・アグルワール、デヴ・ギル、シュリハリなど
上映時間:139分(日本公開版)
テルグ映画「マガディーラ 勇者転生」鑑賞しました。「RRR」や「バーフバリ」の監督として名を上げているラージャマウリ監督の出世作です。U-NEXTにて初鑑賞。
2009年ハイデラバード。バイクレーサーのハルシャ(ラーム・チャラン)はレース参加するためにリキシャで空港に向かう。道中で手を上げてリキシャを呼ぶ女性と手を合わせた瞬間、ハルシャの指に電流が流れたような不思議な感覚があった。彼はすぐさまリキシャから降りてその女性を探すも、先ほどの白い服の女性は見当たらなかった。女性の名はインドゥ(カージャル)。彼女はハルシャが来る頃には黒い上着を羽織っており、ハルシャは彼女が先ほどの人物だと判別できなかった。
ハルシャはインドゥに彼女の行方について尋ねる。インドゥは自分のことを探していることに気づくも、彼をおちょくるために自分がインドゥの友達であると偽り、彼女に会わせる口実を作り食事や映画をごちそうになる。しかしその過程の中でたくましいハルシャに彼女は恋心を抱いていく。
ハルシャもとうとうインドゥが本物のインドゥであることを見抜く。二人は恋に落ち、ハルシャはインドゥの父親に結婚の承諾をも得る。
一方インドゥの父プラタープは土地の権利の問題で姉夫婦と揉めており、甥のラグヴィールに命を狙われていた。しかしラグヴィールはインドゥに一目ぼれし、彼女を自分の妻にすることを決意する。彼は反対する自身の父を殺し、プラタープに「父は死んだので土地を返還する」と詫びを入れ信頼を勝ち得る。
ラグヴィールはインドゥに近づき彼女を襲おうとするものの、謎の戦士の幻影が彼を斬りつけ触ることができない。恐怖におののくラグヴィールは祈祷師のゴーラに相談する。ゴーラが言うにはラグヴィールは400年前にウダイガル王国のミトラヴィンダ女王を手に入れようとしたラナデーヴ将軍の生まれ変わりであり、インドゥはミトラヴィンダ女王の生まれ変わりである。しかし彼の企みはウダイガル王国の戦士カーラ・バイラヴァによって阻まれた。そのバイラヴァの生まれ変わりがハルシャである。
ラグヴィールはこの呪いを打ち破るために、バイラヴァの生まれ変わりであるハルシャを殺そうと決意する・・・
神話的要素、復讐劇、アクション、ロマンス、コメディが融合する伝統的なマサラ映画なのですが、そのフュージョンが見事!つなぎ方が絶妙で、どの要素も各々を邪魔していません!最初のダンスシーンを除いて(笑)
追いかける男性陣と逃げる女性がなぜか一緒に踊りだすという・・・ザ・インド映画!ただこれはこれでコメディシーンとして十分成り立っています。
特にこの映画はコメディ要素強めで僕は好きでした!1600年代から現代にスイッチするときと、ラストシーンの後のコメディへの急ハンドルの切り方はかつて見たことないようなやり方でした。急ハンドルではあるのですが変な違和感を与えず、緊張と緩和を用いてしっかり笑いを取る、自身のネタに生かしたくなる演出です(笑)
ラーム・チャラン演じるバイラヴァの圧倒的なヒーローは今作でも健在ですし、何よりヒロイン役のカージャル・アグルワールがかわいすぎる!!!マジでビックリしました。「オーム・シャンティ・オーム」のディーピカ・パドゥコーン並みの衝撃です。ずっと見ていられる・・・
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その他シェール・カーンも激熱なキャラクターです!ラストシーンでの彼の活躍は今作で一番興奮しました。
「マガディーラ 勇者転生」はラージャマウリ監督の腕が光る傑作映画。「バーフバリ」や「RRR」と比べるとコメディに比重が置かれており、その点でも非常に好み。ダンスシーンもどれも良い。
インド映画で重要視される9つのラサ(恋愛、滑稽、悲哀、憤怒、勇武、恐怖、憎悪、驚異、平安)の点数が軒並み高く、マサラ映画の一種の完成形のような映画です。