【インド映画】Monsoon Wedding(2001)
監督:ミーラー・ナイール
出演:ナスィールッディン・シャー、リレッテー・ドゥベーイ、シェファリー・シャー、ヴァスンダーラー・ダース、ランディープ・フーダー、ラジャット・カプール、パルヴィン・ダヴァスなど
上映時間:1時間53分
インド・アメリカ・フランス・イタリア・ドイツの共同制作映画「Monsoon Wedding(モンスーン・ウェディング)」鑑賞しました。ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を勝ち取った作品。以前から見たいと思っていたのですがなかなか映像が手に入らず、今回池袋のTSUTAYAでようやく見つけて鑑賞に至りました。
インド・デリーのとある場所にてお見合い結婚が進められていた。新婦の名前はデリーに住むアディティ(ヴァスンダーラー・ダース)で、新郎はヘマント(パルヴィン・ダヴァス)というテキサス州に住むインド人で、彼らの父親同士は友達同士である。
ヘマントの義理の兄であるテージ(ラジャット・カプール)は同じくアメリカに住む大金持ちで、アディティの父ラリット(ナスィールッディン・シャー)の妹と結婚している。彼はアメリカの大学に通いたいというアディティの従妹・リア(シェファリー・シャー)に授業料を払ってあげると申し出る。ありがたい話のはずだが、なぜかアディティは乗り気じゃなくむしろテージを避けている。
アディティの弟ヴァルンはダンスや料理など女性っぽい趣味に没頭しており、父のラリットはもっと男らしくなってほしいと思い寄宿学校に送ることを考えている。アディティの従妹のアエーシャは、アディティの母ピンミ(リレッテー・ドゥベーイ)の甥でオーストラリア在住のラフール(ランディープ・フーダー)といい関係になる。ちなみにラフールはラリットには完全にポンコツ扱いされている。一方ウエディングプランナーのドゥベーイはラリット家の使用人のアリスと恋に落ちる。
以上の大勢のメンバーが集結し賑やかに結婚式の準備が進む中、アディティは同じ職場の元カレで、既婚者であるヴィクラムと一夜を共にしてしまう。
上記の通り、登場人物の相関図がめちゃめちゃ複雑です(笑)。でもこれリアルなインドの家族なんですよね~。インドでは大体2~3世帯が大きな一つの家に住んでいますし、両家が大所帯で互いに既に関わりがあるケースが殆どなので、結婚式はこんな関係性になります。
このようなインド独自の結婚式の構図や儀式、伝統などを、リアリティ重視で描いています。その中にいくつかの捻じれ要素が入り組み、話を展開させていきます。
新郎ヘマントの対応を見ていると、結婚する相手に必要な要素は「信頼」であることが見て取れます。これは国を問わずそうであると思います。結婚は一生を共にする相手なので、ひと時の情事に流されずしっかり信頼度を見極めることが大事です。顔で他のオスに劣る分、僕もそこで取り返せるような人間になりたい(笑)
俳優陣は割とマイナーな名前が並ぶ中、インドが誇る演技派俳優ナスィールッディン・シャーがアディティの父親役で出演しているのですが、彼が出ている意味は後半にわかります。冷静に家族を守るための決断を下すあのシーンは、彼でなきゃと思わせます。テージ役のラジャット・カプールも悪役としていい味を出しています。
「Monsoon Wedding」はインドの結婚式の伝統や、複雑に入り乱れた関係をリアリティ重視で描いた作品。大きなドラマを作らないところがインド映画らしくはないが、非常に興味深い作品である。