【邦画】ALWAYS 続・三丁目の夕日(2007)
監督:山崎貴
出演:吉岡秀隆、堤真一、薬師丸ひろ子、堀北真希、小雪、須賀健太など
上映時間:2時間26分
「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズ第2弾、「ALWAYS 続・三丁目の夕日」鑑賞しました。ストーリーは前作からの引継ぎで、主要キャストも同じです。
東京の下町で暮らす鈴木一家に親戚の女の子・美香が預けられることになった。彼女の父親は事業に失敗し、出稼ぎに行った。美香はお嬢様育ちで鈴木家での生活にまったく馴染むことができず、同い年の一平とも喧嘩してばっかり。しかし鈴木家の支えもあり、徐々に下町の生活スタイルに慣れていき、お嬢様気質の態度も変わっていく。
茶川は相変わらず貧しい暮らしを続けており、淳之介の実父が再び息子を連れ戻しにやってくる。なんとか連れていかれることは免れたが、次回来た時に状況が変わっていなければ息子を明け渡すことを約束し、茶川は貧しさから抜け出すために芥川賞を受賞し売れっ子作家になることを目指す。
この映画の良いところは、いろんな人のストーリーが同時進行していくところです。前作同様、茶川のストーリーが軸となりつつも、今作では美香&一平、六ちゃん&武雄、そして僅かながら社長やお母さんの過去についても触れられていました。この映画は、誰かひとりのストーリーがメインなのではなく、戦後の人々の暮らし自体が主題なのです。
ただシリーズものになると、物語の結末が続編に影響を及ぼすことになるのでどんでん返しなどの展開にはしづらく、必然的に展開は読みやすくなってしまいます。ただ結末が分かっていても物語の楽しさで充分に補っています。もう、ずっと見ていたいですね。
最初のゴジラのシーンが堪らなかったです。我らが堤真一大先生の髪の毛が逆立つ演出、最高におもしろい。今作も社長のキャラが立っています。
あれだけ小説なんか読めないと言っていた社長が、茶川に「才能がない」と言った川渕に対して、「読んでもねえ奴が才能がないとか言うんじゃねえ!俺は泣いたぞ!!」ってブチ切れるシーンで僕は号泣でした。社長はいつも文学(茶川)のことを「文学崩れ」だの弄っていますが、本当は誰よりも文学のことを気にかけているんですね。
性格は真逆なもののどちらも不器用な人間であるという共通点があり、二人は心でつながっています。前作でもヒロミへの指輪を買うお金を借りるために、茶川は真っ先に社長のところに行っています。この二人の物語をもっと見たいです!
演技面で言うとやはり堤真一。見るたびにファンになっていきます。今作でも魅力あふれたキャラクターに仕上げています。熱い演技のみならず、コメディ面でも大活躍です。本当に役の幅が広い。
「ALWAYS 続・三丁目の夕日」は戦後間もない日本の物語という前作のコンセプトの続きで、茶川のストーリーを中心にしながらも新しい登場人物がでてきたり、他の人物の過去にも迫ったりしながら、新たなストーリーを紡ぎだしています。本当にこのシリーズ、ずっと見ていたいです。