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【インド映画】囚人ディリ(2019) 

監督:ローケーシュ・カナガラージ
出演:カールティ、ナレーン、ラーマーナなど
上映時間:146分

タミル語映画「囚人ディリ」U-NEXTにて鑑賞しました。タミル語映画は往年のスーパースター、ラジニカーントの名作「ムトゥ踊るマハラジャ」しか見たことがありません。それも1995年製作とおおよそ30年前の作品。ちなみにムトゥは日本で最初のインド映画ブームを巻き起こした作品ですが、実はインド国内ではそこまで有名な作品ではないのですが。。初めてインドに行ったとき主題歌の「Oruvan Oruvan」を自信満々に歌ったら誰も知らなかったという(笑)

前置きが長くなりました(笑)。とにかく僕はこれまで300本以上のインド映画を見てきましたが、タミル映画には疎いのです!こちらの「囚人ディリ」は大衆路線が強めのタミル映画において珍しい、ダンスシーンなしの作品とのこと。

マザーテレサ孤児院で暮らす10歳の少女アムダは、管理人から「明日の10時に大切な人が会いに来る」と告げられる。彼女は不安と期待を抱えながら夜を過ごす。

同日、タミル州ティルチ警察のビジョイ警部(ナレーン)は、潜入捜査官アフマドの情報を基にギャングたちを逮捕し、約1トンもののコカインの押収に成功した。彼らはアダイカラムという大物が取り仕切るギャングで、彼の弟アンブは警察への報復を決意する。

ギャングにはアフマドが潜入しているが、一方の警察側にもギャングの内通者がいた。アンブは内通者のラージ麻薬取締長から情報を入手し、逮捕劇に加わった5人の警官を、警察長官主催のパーティーで毒殺することを計画する。毒入りの酒を飲んだ出席者が昏睡状態に陥る中、腕を負傷し投薬治療中で酒を飲めなかったビジョイ警部のみが難を逃れる。彼は警察長官の「内密に事態を収拾させる」という懇願の元、極秘裏に彼らを病院に送り届けることに。

ビジョイはパーティーの仕出し業者カマチ(ラーマーナ)からトラックを借り、会場近くで不審者として拘束されていた囚人ディリ(カールティ)の手錠を切りトラックを運転するように指示する。ディリは実は先ほどの孤児院で暮らすアムダの父親であり、明日彼女に会う予定である。彼女に会うために協力を拒否するが、ビジョイ警部は「協力しないなら娘には会わせない」と強制的に彼にトラックを運転させる。

ビジョイ警部、囚人ディリ、道案内役のカマチ、そして負傷した警官たちを乗せたトラックは公道を避けながら病院へ向かう。しかしトラックの荷台には汚職警官のパールパンディが紛れており、彼が位置情報をギャングに流し、道中でギャングの襲撃に遭うことに。

一方逮捕したギャングたちとコカインを保管した警察本部にはアンブたちが襲撃に向かう。ビジョイ警部は襲撃を迎えるために応援を呼ぶように指示するが、近隣の警察署からは応援を拒否され、危険を感じた警官たちはみな逃げてしまった。本部に取り残されたのは転勤初日で事情を知らないナポレオン巡査と飲酒運転で取り調べを受ける大学生5人のみ。彼らはビジョイ警部から連絡を受け出入り口を封鎖する・・・

南インドの映画によくありがちなのですが、設定が複雑すぎる!!!孤児院の話と、ギャングの構造と、警察の構造と、ディリと、大学生と、覚えることが多すぎます。これを日本人が初手で理解しきるのは至難の業かと。ディリが出てくるのも遅いし(笑)。僕も最初の30分が全くついていけずに、wikipediaをみて何とか状況整理しました。

ただすべての状況を飲み込めた後は非常におもしろかった!各々のキャラクターの目的が交差し白熱の展開。ディリはめっちゃ強いし(笑)。何百人ものの相手をバンバンなぎ倒していきます。南インドのヒーロー像ってやっぱコレなんですね。武骨で無敵のゴリゴリ系ヒーロー。無敵っぷりが爽快感があっていいですね~。愛情が深いのもそうですね!

ラストシーンで続編を仄めかしていたものの、2025年1月現在では続編は未完成とのこと。そちらも気になります。

「囚人ディリ」は圧倒的強さと深い愛情を持つ囚人のディリが、自身の娘と会うために巻き込まれた事件に立ち向かう物語。ダンスシーンこそないものの、しっかりタミル映画が感じられる作品です。


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