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【インド映画】Munna Bhai M.B.B.S(2003)

監督:ラージクマール・ヒーラーニー
出演:サンジャイ・ダット、スニール・ダット、グレイシー・スィン、ジミー・シェールギル、ボーマン・イーラーニー、アルシャド・ワールスィーなど
上映時間:2時間40分

前回サンジャイ・ダットの自伝映画「Sanju」を鑑賞して、この「Munna Bhai M.B.B.S」が彼の転機になったことが描かれており、そのプレミア公開のシーンで感涙。もともと大大大好きな映画なんですが、改めて見たくなったので鑑賞。たぶん4~5回目。

やっぱ面白い!!何回観ても笑ってしまいます。まずはムンナ(サンジャイ・ダット)のキャラクターですよね。これはもうサンジャイ・ダットが演じることを前提にして作り上げられたキャラなんじゃないかと僕は思っています。それぐらいサンジャイ・ダットの良いところを引き出していている。というか悪いところを引き出して面白くしている。さすがラージクマール・ヒーラーニー。

ボマン・イーラーニーは安定の校長先生役で出演。「Main Hoon Na」でも「3 idiots」でも校長先生役を務める、もはやインドで校長先生といえば彼かもしれない。今回はストレスを感じるとわざと笑って血圧を下げように努めるという変な特性をお持ちでした。コメディものでの敵役には最適人かもしれません。

そして僕がムンナと同じく、いやそれ以上に愛して止まないのがサーキット役のアルシャド・ワールシィー。最高の腰巾着です。ムンナバーイでのサーキット役、Golmaalシリーズでのマダーヴ役など、彼の絶妙なコメディ演技が僕は大好物です。

今回だとムンナの無理な要求に頑張ってこたえようとする、ムンナへの愛と、忠誠心と、やることの無秩序さ(死体解剖に使う身体を要求され、観光中のアジア人を気絶させて連れていくなど)が最高におもしろかった。ある意味ムンナの虜になっている僕ら観客の代弁者的立ち位置だったのかもしれません。

そしてムンナの父親役はサンジャイ・ダットの実の父親であるスニール・ダット!二人の共演のシーンは「Sanju」にも盛り込まれており、そこでちょっとした秘話が綴られていました。

最後の方で父親がムンナを許して抱き合うシーンがあるのですが、このシーンは二人とも映画の役であることを忘れて、純粋に親子として抱擁してしまったと。自然と涙が止まらなくなり、シーンカットになってもしばらく抱き合ったままだったそうです。
「Sanju」を見てもらえばわかるのですが、サンジャイ・ダットは本当に苦しい時期を経験しており、それを支えたのが他の誰でもない父スニール・ダットだったのですね。
この事実を知ってから見ると余計に泣けます。隣でもらい泣きしているアルシャド・ワールシィーもガチ泣きだったようにも見受けられます。

ストーリーはラージクマール・ヒーラーニーの真骨頂。コメディベースで進みながらもメッセージ性があり、最後は泣かせられる。毎度感情揺さぶられっぱなしです。

最後ムンナが医者になれないのもいいですね。基本的には校長先生が悪役として描かれているのですが、彼の言っていることは医者としては間違っていないのですね。患者に対しての情を一切持たずに接するとか。人間的にどうかと思う部分はあるのですが、患者が死んだときにいちいち悲しみに暮れていたら仕事にならないですもんね。なので人間的な心をもって患者に対応しようとするムンナは医者には向いてないのです。

普段のラージクマール・ヒーラーニー映画の面白さと、ムンナいやサンジャイ・ダットという最高のキャラクターが、足し算じゃなくて掛け算的なおもしろさを生み出した傑作です。
話の内容は違えど続編である「Lage Raho Munna Bhai」も最高に面白いので、また近いうちに見よーっと。

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