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【邦画】ALWAYS 三丁目の夕日(2005)

監督:山崎貴
出演:吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、薬師丸ひろ子、須賀健太など
上映時間:2時間12分

「ALWAYS 三丁目の夕日」鑑賞しました。自分が10歳のころに流行していたのを記憶しているのですが、今回が初鑑賞です。

東京の自動車会社への就職が決まった六子(堀北真希)は列車に乗って青森から上京する。大手の自動車会社であると思い込んでいたが、迎えに来た社長(堤真一)に連れていかれたのはオンボロの自動車整備工場。最初はガッカリするものの社長や奥さん(薬師丸ひろ子)、息子の一平(小清水一揮)に親しまれ、家族に馴染んでいく。

鈴木オートの向かいに住む茶川龍之介(吉岡秀隆)は小説家志望だが作品はボツになってばかりで、祖母から引き継いだ駄菓子屋と子供向け冒険小説でギリギリ食つなぐ生活をしている。ある日ひょんなことから淳之介(須賀健太)を引き取る羽目に。最初は毛嫌いしていたが、同じく小説が大好きで、自分の書く冒険小説のファンである淳之介と徐々に打ち解けていく。

めちゃくちゃ心に沁みます。ストーリーも素晴らしいのですが、とにかくこの時代の良さがひしひしと伝わってきます。物が少ない時代だからこその心の豊かさ。もちろん物質的には現代の方が間違いなく豊かですが、それと共に失われていっている心の豊かさがこの時代にはあったのだなと。物質的な豊かさと、心の豊かさ、どっちが本当の幸せなのか考えさせられます。

そして鈴木オート社長の日本の自動車業の発展を夢見る熱い思い、痺れました!戦後復興を目指す人たちの熱い思いがあって、今の豊かな暮らしがあるのですね。そういった人々の活気というのもこの時代の良さだと思いました。

そして名シーンがてんこ盛り。まずは指輪のシーン、いやは美しいですね~。このシーンは一歩間違えるとチープになりかねないのですが、吉岡秀隆のマイム技術と小雪の演技で最高のシーンに仕上がっています。龍之介と淳之介のラストもニクい演出だなと。セリフは出会いの場面と全く同じなんですよね。対比での見せ方が素晴らしすぎる。高円寺まで行って帰ってきた淳之介に、社長よりも早く龍之介が手を出してしまうシーンも良かったです。

社長一家での大ラスのシーンはメッセージ性抜群で、めちゃくちゃ刺さりました。僕たちは今、あんな綺麗な夕日を見ることができているのだろうか・・・というよりも、夕日をあんなにきれいに見える僕たちでいれているのだろうか?

役者陣はみな素晴らしかったですが、やはり堤真一大先生!!前回観た「容疑者Xの献身」の暗い数学博士とは打って変わり、今回は気は短いが人情に篤い昭和の父ちゃんを演じていました。ここまで完璧に違う役を演じることができるのはさすが堤真一だと感じました。

堤真一はイギリスの演出家に「誰もお前なんか見に来ていない」「お客さんは役や物語を見に来ている」と言われたことから「役作りはいかに自分を殺すか」ということを教わったそうです。この言葉は同じく俳優を目指す僕にとっても目から鱗で、この言葉を胸に3日後に控えているインドでの初の劇団公演の役作りをしています。そんな堤真一らしい見事な役作りでした!

「ALWAYS 三丁目の夕日」は戦後間もない頃にあった日本の活況、人たちの心の温かさを認識させられる作品。時代は変われどこの時代にあった人々の心の灯を完全に消してしまってはいけないと感じました。胸が熱くなりますし、しっかり泣かされました。これは続編も観ねば!あと東京タワーが大好きになります!!


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