政府に対する信頼度の違い
初っ端になんでこんなことを書き始めてしまったのかと思いつつ、ここら辺を理解することは海外と仕事をする上で重要と思うので書きます。
政府に対して皆さんはどう感じてますか?
政治に興味はありますか?
日本の政治は腐敗している、政治家は2世議員ばかり、官僚組織も硬直していてどうにもならない、と感じてたり、自分には関係ないなんて考えていませんか?
日本は投票率が世界と比べて圧倒的に低い。それはじつは裏を返せばそれなりに現在の政府に信用をおいている、どこにも投票してもそこまで変わらないからとも言えると思います。
例えば僕が済んでいたタイは投票率が75%と素晴らしく高い。
ではなんで高いか?
政府が変わることが生活に直結するからです。
昔のニュースで赤シャツ、黄シャツと聞いたことがありませんか?
タイの政治グループの俗称で北部を中心とした低所得者層を支持基盤とする赤シャツのタクシン派。
庶民富裕層、中間層、既得権益層を母体とする黄シャツ半タクシン派。
キリがないのでざっくり書きますが、タクシン派が政権をとった時代には農民保護を行い、既得権を壊そうとしました。
ただばらまきがあまりに極端だったため、中間層が不満をもち、結果、既得権を持つ富裕層とともに黄シャツ派による大規模なデモ、続くクーデーターが発生、結果としてごりごりに既得権益を明確化した軍隊をバックとした政権が長く続くことになりました。
軍隊が政府を牛耳ることで農民や低所得者層の生活は悪化し、王室を批判による不敬罪で取り締られることになったわけです。ただ、この期間の軍人による政治に中間層が不満を持ち今年の選挙では反王党派が第一党を選挙で勝ち取りました。
つまり政治は生活に直結しているのです。
イギリスでは労働党から保守党に切り替わると途端に社会福祉予算がカットされて、いきなり職を失う、病院に行けなくなる、食事に事欠く人が続出したりしますイスラムの国ではイスラム系保守派が強くなると駐在員がお酒を買いにくくなるなんてこともあったりしました。
つまり、日本は政権が変わっても何も変わらなかったという諦め、同時に何も変わらないけど、そこまで悪くもないという微妙だけど、実は絶対的な政府への信頼度があるのかなと感じています。
自分が担当する、赴任する国の相手の社員と会話する時にこのような社会的背景を知っていると相手の意見、主張、態度の理由が理解できることがあるので役に立ちますので覚えておいて損はないです。