国を信用できるということの幸せ
引き続きの政治絡みの話をゆるっと。
政権がクーデーターで自衛隊にひっくり返される、他国に侵略される、政府が崩壊して地域ごとに軍閥に支配された日本なんて想像したことありますか?
少なくとも僕は意識したことがありませんでした。
中国や、東南アジア、南アジアで金のネックレスや指輪等を売っているお店、金行をやたらと見かけませんか?
知り合いのタイ人の女性はお金がたまると金のブレスレットやネックレスを購入してかけていました。これは金の装飾品が好きだからでしょうか?
金のブレスレットやネックレス、もちろん、単純に金が好き、お金を持っていることを人に見せたい。それもあるでしょう。
ただ、同時に装飾として常に身につけておけば、何が起きても金を売れば生きていけるということは大きいです。
国がダメになって紙幣が紙屑になっても、銀行が潰れても、お金が引き出せなくなっても、金を身につけておけば、いつでも逃げられますし、換金できます。
日本は歴史的に本当の意味で占領されたのが第二次世界大戦後だけ。しかも、モンゴルとかとは違い文明国であったおかげで酷い略奪を受けずに住んだので、亡国ということが本当の意味では意識されなかったのではないかと思っています。
これが中国、韓国になると王朝の交代はもちろん、異民族の侵略と支配、国の分割を幾度となく繰り返してきています。同じことは東南アジア諸国にもいえます。タイもスコータイ朝、アユタヤー朝がミャンマーに滅ぼされ、誰も住まないジャングルの湿地帯に逃げ込んでできたのがバンコクですし、近年に19回もクーデターがありました。
仕事で関わりがあった事件だけでも、タイのクーデーターは渦中にバンコクに
住んでいましたし、インドネシアの暴動で中華系インドネシア人が虐殺された時は駐在員が日の丸を車にあげて逃げて帰ってきたこともあります。ミャンマーからの仕事を失注してがっかりしてたらクーデーターから内戦、得意先が進出したロシアの工場が閉鎖なんてこともあります。
911、アフガン侵攻、イラク侵攻、東日本大震災、香港の返還と鎮圧、アラブの春、イスラム国、スリランカの破綻、フランスの暴動 etc..世界は安定していないのです。
そのため発展途上国の人間は国に期待していません。ということはもちろん会社もです。
上司への忠誠と期待、仲間への愛はありますが、組織への忠誠は希薄です。駐在員は現地社員がすぐに転職をする、複業を行う、というのは生き抜くための知恵の一つと思って、理解を示す、割り切り防御策を施すことが必要です。
昔の高野秀行さんの自伝的小説で、勤めていたアジア系新聞社の給料支払いが滞った時に日本人社員以外は副業を行なっているので困らなかったし誰も辞めなかったというエピソードがありました。逆に日本人はその逞しさを見習わないと行けないとも思っています。
もちろん、取引を行う際には会社の信用だけでなくカントリーリスクも考慮に入れてください。