【Wild Child】ときどき無性に聴きたくなる曲がある件。
こんにちは!しばいぬたろうです。
ときどき、無性に聞きたくなる曲ってありませんか。
そのジャンルやアーティストの大ファンというわけではないのに、です。
なぜかその1曲だけ耳と心にいつまでも残っている曲。
今日はこの曲が聴きたくなりました。
Enya - Wild Child
これは「冷静と情熱のあいだ」という映画の主題歌でもありましたね。
出典:dtv
しかし、この曲と初めて出会ったのはこの映画ではありません。
私がEnyaに初めて衝撃を受けたとき、そこにはベンツとネオン街がありました。
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20代の頃3年間ほどですが、化粧品やサプリメントを扱う営業の仕事をしていました。
その会社では基本給がほとんど無く、ほぼ歩合制で給料が決まっていました。
そのため、成績さえ出し続ければ一か月に100万円を稼ぐこともできる仕事でした。
いわゆるブラック企業ではありましたが、給料に関しては「やればやるほど」という仕事だったので、上司の方々もゴリッゴリの上昇志向の持ち主ばかり。
それこそ映画の登場人物かと思うようなスタイルで高級スーツを着こなし、高級車で営業に回っている人もいました。
私自身も自己啓発やスキルアップにたくさん時間とお金を費やしていました。
その中でも歳が近く、仕事の考え方や他人への接し方を尊敬できる上司がいました。
その上司はいつもヴィトンのアタッシュケースを持ち、「BMW Z3」というオープンカーに乗って小粋に仕事をしていました。
出典:Wikipedia
ある日その上司から電話が入り、
「しばいぬよ、オレはベンツを買ったから乗せてやろう」
と連絡がきました。
仕事終わりの真夜中でした。
飲みにいく、とのことだったので私は待ち合わせ場所の飲み屋街に向かいました。
当時の飲み屋街には山のように人がいて、まだ車が若者のステータスだった時代です。
当然、飲み屋街の駐車場には「VIPカー」と呼ばれるセダンや、
出典:https://magazine.cartune.me/articles/3525
「ローライダー」と呼ばれるアメ車など、
出典:YouTube
バキバキに不良っぽい車がずらりと並んでいたりします。
ガラの悪そうな若者が当たり前にウロウロする駐車場のすみっこに、一台のベンツが停まっているのが見えました。
遠目でもはっきりと分かる、国産にはないボリューム感。
すみっこなのにまったく申し訳なさそうでないそのベンツは「SL500 AMG」という車種で、あの「ミナミの帝王」の実写版で竹内力が乗っていたベンツの色違いでした。
出典:amazon
もし、いまの会社の上司が買うと言い出したら全力で止める選択ですが、当時若気の至りにまみれて生きていた私は、にぶく輝くシルバーのボディがネオン街にとてもマッチしていると思いました。
ワクワクしながら私はベンツに近づきました。
すると近づくにつれ、どこからともなく、
「ドゥーン・・・ボォーン・・・」
と波立つ低音が響いてきました。
マフラー音ではありません。
まるで英国の大聖堂から聴こえてくるような癒やしの重低音。
それでいて、ざわつく不浄な夜の街をゆっくり侵食していくような威圧感。
待っていた上司が「おう!」とベンツのドアを開けました。
その瞬間、さらに駐車場全体にその音が広がります。
その時、私の耳に飛び込んできたのがこの「Wild Child」です。
当時、20代の男子が車でカッコつけて流す音楽といえば、HIPHOPやクラブミュージックでした。
「まずドライブいくべ」
と、ベンツが走り出した矢先、天井がウィーンと開いてオープンカーに。
ベンツでEnyaを爆音にしてネオン街を流すという新しい価値観。
当時の私には新鮮すぎて、Enyaとウーファーってこんなにも融合するんだ・・・と上司の話そっちのけでシビれていたのを覚えています。
あまりにも鮮烈な印象だったのか、今でもときどき聴きたくなってしまうんですよね。
おまけ
Enyaは公式チャンネルを開設しているんですね。
名曲「Only Time」なども良い音質で聞けるのでぜひお試しください。