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SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary

 人間の目はカメラのレンズで言う何mmに相当するのかと言う話題は度々耳にします。50mm派と言うのが一般的の様ですが、中には35mm派もいる様で私も同じく35mm派であります。理由は簡単で、誰しも50mmのレンズを除いた際にちょっと狭いなって感じませんか?その狭さは人間の目と乖離している訳でして。案外人間の目は認識していないだけで、広くを見渡せる様に出来ていると思っている訳です。まあこの辺は認識の話とか生物進化の過程とか色々面倒になるのでまたの機会にしましょう。
そして今回の本題は35mmでも50mmでもなく、表題にある通り45mmと言う画角です。帯に短し襷に長しとはまさにこのレンズのことでしょう。50mmとの差がそれ程大きくある訳ではないのですが、この5mmが50mmとは全く別色のレンズへと変貌させています。その使い勝手の良さ悪さを是非体感して欲しいレンズです。

使用感

 結論から言いますと、このレンズは買いです。SONYのαシリーズやLUMIX、LIECA、SIGMAといったLマウントシリーズをお使いの方はすぐにネットでポチりましょう。
 開封して最初に驚いたことはフードか金属性であることです。昨今のレンズではフードは間違いなく樹脂です。何十万もするお高いレンズなら金属フードということもあるかも知れません。ですがこのレンズは10万を切っています。正直驚きました。この金属音は工学系出身の私からするとポイントが高いですね。レンズフードから金属音がすると言うのはフィルムカメラ用のレンズを使っていた時以来ですね。おまけに加工精度もさすがのものです。非常に高級感のある鏡筒に滑らかなトルクのあるピントリング、絞りリングもクリック感が絶妙で、使っていて楽しいです。欠点と言えばピントリングとフードの距離が近く、若干ピントリングが回しにくい所です。ですがこのレンズはマニュアルフォーカスで1枚1枚じっくり撮るというよりは、オートフォーカスでパシャパシャ手軽に撮る用途のレンズと考えていますので、問題は無いでしょう。何よりも感激ポイントはフードを付ける際の何とも言えない滑らかさと、ハマった時のカチっと音ですね。こればっかりは実際に店頭や購入後に試して頂かないと分からない部分ではあります。スペック表には乗らない部分に、製品の良し悪しが出るのではないでしょうか。
 さて、表題の写真は1年近く酷使した後に撮影しましたので、傷やら埃やらがあります。フードは若干擦ってしまい、塗装が一部剥げ、金属の下地が見えてしまいました。
 このレンズ、フードを外してしまうと何となく収まりの悪いレンズです。レンズフードは光学上、無いと余計な光がレンズ内に入るので、私自身は絶対に装着しています。昨今ではフードの無いCM、カタログ等がありますが、僕からしてみればアリエナイの一言です。フードを付けたら見栄えが悪くなってしまうレンズは正直あまり好きにはなれません。

撮影感

桜
SONY α7 Ⅲ
SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
f/5.0
1/800s
ISO100
45mm

 さてこれは昨年の桜です。私の印象ですが、桜というのは思ったよりも白に近いピンク色だと思っています。天気の良い日だと白飛びしそうになるのですがこのレンズの場合はいかがでしょう。さすがの現代レンズ、細かな部分まできちんと描写しています。そして緩やかなボケ感。まさに短焦点レンズのおいしい部分ではないでしょうか?
 SIGMAのレンズは色が駄目みたいなことをおっしゃる方がいますが、むしろRAW編集のことを考えると、丁度良いような気がします。コントラストや色乗りのバランス、総合的に考えれば扱い易いレンズだと思います。特に私は彩度上げ上げ写真は得意ではないですから、このバランスが性に合っているのではないかと思います。

駒ヶ岳千畳敷note
SONY α7 Ⅲ
SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
f/8.0
1/250s
ISO100
45mm

 こちらは駒ヶ岳千畳敷です。緑の感じがどうしても気に入らなかったSONY機ですが、この写真はまあまあ良い感じではないでしょうか?ここまで来ると空の雲が白飛びしそうですが「α7Ⅲ」の性能と相まって、全く白飛びしていませんでした。これには正直驚きです。この軽さでこの性能、持ち歩きたい短焦点レンズの完成形と言えるでしょう。F値こそF2.8と控えめですが、カメラ側の性能も上がり、センサ感度や手振れ補正機能も向上していることですから、F値の暗さで困ることはそうそうありません。ボケの暴力を振るいたい方は大口径を使って頂くとして、こういった旅先への持ち出しには軽さは間違いなく正義です。

ロサンゼルスストリート
SONY α7 Ⅲ
SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
f/4.5
1/1250s
ISO100
45mm

 軽いレンズはこういったストリートスナップにも非常に適しています。自然ではなく人工物を撮っても良い感じになります。正直苦手なものは無いのではと思うくらいの万能短焦点と言えるでしょう。これがあれば大体の物は撮れてしまうという安心感があります。

使用の経緯

 このレンズは私が初めて購入した短焦点レンズです。単焦点ならもっとボケ量の多いやつが良いとおっしゃる方が居るのも分かります。ですが単焦点の魅力はコンパクトさ(機動性)と描写力とのバランスだと考えています。そして45mmという画角は50mmでは狭いと感じる方にはベストマッチではないでしょうか?実際に私は50mmの画角は狭いと感じていた一人ですし、旅行用に小さいレンズが欲しいと考えていたのも事実です。単焦点は大口径という常識に囚われず、敢えてF2.8を選択するというのは多くの方に幸せをもたらすのではないでしょうか?

まとめ

 レンズ選びと言うのは選んでいる瞬間も楽しいものです。決して安い買い物ではありませんからじっくり考えることになるかと思います。これから短焦点レンズの購入を検討している方、特に街角スナップや旅行スナップ、ストリートスナップをする方は小型単焦点を選んでみてはいかがでしょうか?もちろん人物や食べ物を撮るのにも十分に使えます。万能短焦点の傑作、値段も近代レンズの中ではこなれている部類ですから、この製品の良さを是非体感して欲しいと思います。

作例

マーケットネオンnote
SONY α7 Ⅲ
SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
f/5.6
1/125s
ISO3200
45mm

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