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何故、高層建築物を撮るのか?

 最初に撮影した高層建築物は京都駅でした。まだ一眼カメラも持っていない頃に、当時の「iPhone 6s」で撮影しています。高校卒業時に、親友と卒業旅行へ出かけた際に撮影しました。私の出身は長野県のぼちぼち田舎でして、建築物と言えば数階建程度で、基本は山と畑、一面の緑と言った具合が殆どです。そんな中で行った京都は私にとっては大都会で、東海道新幹線が停車するような駅は、まさに憧れです。写真を今見返すと約10年前のiPhoneですから、画質はあまり良くないですね…。

Apple iPhone 6s
f/2.2
1/60s
ISO25
29mm

 その後、関東の大学へ進学したのですが、長野県からの移動はバスでした。中央道をひたすら東へ走っていくのですが、途中八ヶ岳を超え、山梨側の富士山を眺め、八王子辺りから徐々に都会の建築物が乱立して行きます。新宿に近づくに連れ、建築物の高さは増し、ワクワクしたのを今でも鮮明に覚えています。当時はまだバスタ新宿も完成しておらず、新宿駅西側のヨドバシカメラ前へ下ろされます。その奥にスターバックスがあり、上京早々から浮かれて珈琲を買ったのを覚えています。現在、私の機材は全てヨドバシカメラで購入しておりますが、こんな所から縁があったのでしょうか?

SONY α7R Ⅴ
SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
f/5.0
1/800s
ISO100
45mm

何故、高層建築物を撮るのか?

 高層建築物は、人類の英知・技術の結晶であり、その高さやデザイン、構造等、味わうべきポイントは数多くあります。それらと並んで一緒に撮影するなんて、なんと人間らしい営みでしょうと私は考えております。そんな高層建築物撮影の魅力について、私の考えと実例を書いてみます。

高層建築物は場所の象徴

 とっても当たり前ですが、高層建築物は「不動産」です。その性質上、動かせない物ですから常に同じ場所にあります。その結果、場所の象徴になります。例えば分かりやすいのは、1958年に開業した「東京タワー」です。東京のシンボルマークとして多くの方に親しまれ、今でも東京の高層建築物と言えば「東京タワー」と答える方が多いのではないでしょうか?その結果、東京を訪れた際は「東京タワー」と記念撮影を撮ったりするわけです。

土地及びその定着物は、不動産とする。
定着物とは、継続的に土地に固着し、しかも固着して使用されることが、その物の取引上の性質とみられるものをいう。

民法 第86条

日本中の高層建築物を撮る

 これまで私が撮影したタワーを日本地図へ入れてみました。場所の象徴として、各都市で大切にされているタワー達です。撮影したデータをパッと開いた際に、どこに出掛けたのか一目で分かります。私は日本全国47都道府県への旅行制覇を目指していますが、こうしたシンボル的な高層建築物があると「○○に来たなぁ」と思い嬉しくなります。家族や友人、知り合いに見せる際にも、こういった写真があると話が弾む気がします。とってもミーハですが、旅行の記憶とこうした建築物写真は、切っても切れない関係であると私は思います。

札幌市:さっぽろテレビ塔
函館市:五稜郭タワー
港区 :東京タワー
墨田区:東京スカイツリー
京都市:ニデック京都タワー
大阪市:通天閣
神戸市:神戸ポートタワー
福岡市:福岡タワー
名古屋テレビ塔(中部電力 MIRAI TOWER)の写真はどっかにあるはずですが…
また探しておきます。

各公式HPより

高層建築物は時代の象徴

 高層建築物はその構造上、設置期間が長くなる傾向があります。上記で挙げた「東京タワー」は、2025年現在で開業67周年を迎えており、私の大好きな「神戸ポートタワー」も開業62周年と、どちらも竣工から半世紀以上が経過しています。世界に目を向ければ、パリの「エッフェル塔」(La tour Eiffel)は136年と、竣工から1世紀以上の歴史があります。長い人類史からすれば短いかもしれませんが、人間の一生を考えれば、息が長いことは間違いないでしょう。その為、建設当時の技術・設計を実物で確認することが出来ます。まさに時代の象徴というわけです。

何度も撮影している高層建築物

 神戸は私の大好きな街のひとつです。何よりも晴天率が高く、海と山が同時に楽しめます。雨男山育ちの私にとっては最高のロケーションです。そんな街を象徴しているのが「神戸ポートタワー」です。1963年に竣工し、以来神戸港のシンボルタワーとして神戸の街並みを見守って来ました。
 1枚目は2019年に撮影したものです。この際は人が少なく、地面が入る様に撮影しました。

SONY α7 Ⅲ
SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
f/5
1/1600
ISO100
45mm

 2枚目は2024年に撮影したもので、2021年からの補強工事が終わった後の姿になります。こちらは広場でイベントをやっていた為、上側を広く撮影しました。下の方にイベントのテントが見えています。この後、ランチの予約をしていた為に、慌てて撮ったものですから、右側に別の構造物が入ってしまいました。こうした当時の状況を思い出せるのも写真の醍醐味ですね。

α7R V
FE 50mm F1.4 GM
f/8
1/500s
ISO100
50mm

雨男の私でも晴れになる街、神戸…恐るべし。

 神戸が好きでよく旅行に行く私は、機会がある度にタワーの撮影をしています。街の景観も少しづつ変化しており、私の使用機材や考え方にも変化があります。その為、同じタワーを撮っていても、その写り方は全く異なってきます。まさに時代の象徴として、長年同じ場所にある高層建築物だからこそ出来る撮影の面白みではないでしょうか?

皆さんも高層建築物を撮影してはいかが?

 高層建築物撮影の醍醐味について、ここまで長々と語ってきました。最近カメラを買ったあなたが、何を撮れば良いのか迷っていることと思います。そんな時は今回の記事を思い出して頂き、まずは近くにある高層建築物を撮ってみてはいかがでしょうか?何気ない一枚ですが、それは場所の記憶、時代の記憶になること間違いなしです。この記事が、皆さんの素晴らしい写真ライフの一助になって頂ければ幸いです。


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