ふたつめの誕生日
生まれてからずっと
私不在の物語を紡いでいたことに
気づいてしまった
他人の望みを先回りして
他人の願いを叶えることだけが
生きる理由と信じていた
気づいたときには空っぽだった
顔も名前も知らない人たちに認めてもらおうと溺れていた
本当はたった1人に愛されたかっただけなのに
走り続けたのに 何も持っていなくて
声が枯れるまで叫んでも 誰にも届かなかったのに
あなたに出会えて 無理して笑う必要はなくて
悲しい時は涙を流していいことを知った
誰にもなれない私の居場所が
どこかではなくここにあると知って
ようやく私の物語を生き始めた
誰かじゃなくて、私を生きることが
あなたの求めていることだと
気づいたあの日は
ふたつめの誕生日
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