【詩】の朝
目覚める
布団から出て いや出られなくて
足掻いて足掻いて
ようやく出られて
歯を磨く
口の中に広がるミントの味で
ようやく頭が回り始める
顔を洗う
化粧水を叩き込み乳液で蓋を
濡れた髪をぬるい風で乾かす
寝巻脱ぐ
シャツのボタンを止める
(おっとっと)
よろけながらズボンに足を通す
パン一枚
トースターに放り込んで3分半
バターを優雅に塗る時間はなさそう
(布団から出られなかったせいか)
昨日と今日で大して変わらないニュース映像を垂れ流すテレビ
溶け残った部分を残したバターがのったトーストを口に放り込む
12時間前に部屋のはじっこに放り出したリュックを背負って
玄関に向かう
(ハンカチとイヤフォン持ったっけ?)
ドアを開ける
歩き始める
黒い柴犬とすれ違って
朝まで働いていた人とすれ違って
改札で響くSuicaの音
平日
(まだ起きていたくない)
(まだ起きたくない)
まだ起きない
休日
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