【短歌日記】2023/1/02~2023/1/07
あけましておめでとうございます。芝々です。今年から、短歌を始めることにしました。
なぜ急に短歌と言い出したのかというと、学生時代、国語の先生がたまに授業でやっていた句会が楽しかったからです。ほな俳句やらんかい、という感じなのですが、改めて俳句を作ろうとすると、五・七・五があまりにも短くてひるんでしまうのと、たまたま今年の2日目、久々に会った友人に薦められたのが木下龍也『天才による凡人のための短歌教室』(ナナロク社)だったので、「これも巡り合わせやね」と都合のいい解釈をして短歌を選びました。
グレーの紙に金色の線描で彩られたイラストがシックかつ豪華で格好いい装丁です。すぱすぱすぱ、と断定調の小気味よい語り口も手伝って、買ったその日に読み終わってしまいました。
『短歌教室』のとかく量を作れという教えに従って、2023年はなるべく毎日作歌し、1週間に1度、その週の短歌をまとめてnoteに記録する、というのをやっていこうかなと思います。日によって1日2首だったり、そのへんは気分で。
2023/1/2~2023/1/7 短歌日記
1/2 紙幣呑むセルフレジの歯、俺の指ついでに噛んで涎つけてく
このセルフレジで買ったのが前述の『短歌教室』です。
1/3 寝たきりのおばあちゃんの脳内で私の名前何日生きそう?
1/3 「じいじより」掠れた線を捨てられず缶に貯めてるぽち袋の束
1/3は2首。年々、正月は家族の老いと否応なく向き合う行事になりつつあります。
1/4 何回も各種刃物に刻まれてなお抗議できぬツーバイフォー材
Netflixで「ビッグ・ティンバー」というカナダの伐採業者ドキュメンタリーを観て。1話しか見てないのですが、山の斜面の一区画をばっさり伐り倒す→倒れた木を回収して1か所に集める→集まった丸太を買って製材所で加工する、の3工程を全部違う業者がやっていて、この分業制で円滑に物事を進めるカナダ林業、すげえなあと家族で騒ぎつつ観ていました。
1/4 むくむくむ自我持つ白いパン生地はタッパーの蓋持ち上げて去る
去年パンを焼き始めたのですが、冷蔵庫で発酵中に膨らみすぎたパン生地がタッパーの蓋を持ち上げるのが愛おしかったのです。今年はまだ焼けてないのですが。
1/5 「かわいいっ」祖母の遺影に祖父叫ぶさなか葬儀屋「加工ですけど」
「うたの日」『だけど』応募作。これは昨年の実際の思い出です。祖父の「かわいいっ」は、そう叫ばないと祖母の不在に押しつぶされてしまう、という切迫さの滲んだものでしたが、対する葬儀屋さんの「フォトショでほくろ消してますけどね、加工です」の返答はあまりに斜め上すぎて、却って清涼剤のようでした。
1/6 道端に降り積もりゆく福袋年明け可燃ごみの日の朝
年明け最初の可燃ごみの日、「マックの福袋」と書かれた紙袋がゴミ袋に入っていたので。
1/7 「無知なままおとなになってしまったな」「そのまま死ぬから安心おし」
大晦日、実家に帰省していた折の父との会話です。父の言う通りなんだろうなあ。
以上、1月第1週でした。短歌は必ずしも当日の出来事を反映していないので、日記といえど出来事の列挙というよりはその日考えたことの記録になりますね。
2023/1/15(日)、文学フリマ京都7にて、ZINEを出品します。
編み物エッセイと展覧会ふかぼりレポの2本です。
おしながきはこちら
短歌が溜まったら歌集も出してみたいです。