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パレード(吉田修一)
> パレード(吉田修一)
読み進めてこわくなっていく
読み直してさらにこわくなっていく
一番こわいのはやっぱり人間だと思う
こわいもの見たさ…ではなくて
目を背けたいもの
だからこそ、物語を通して見つめてみるのもいいのかもしれない。
そんな中、栞としてか挟まれていたイチョウの葉。
こんな小さな出会いがあるから、古本を買うのも悪くないなと思う。
そして、イチョウの葉が挟まってた頁はこんな文章だった。
「テレビをつければ罵り合い、新聞を開けば利権の奪い合い、友達と話せば男の取り合い・・・・・・、しょうじきなところ人間の、あるいはこの世の中の、悪意という悪意に、わたしはすっかり飽きている。
もちろん、飽こうが飽くまいがこの世の中に悪意は存在するし、目をつぶって過ごそうなんて、そんなの楽観的すぎるよ、と笑う人がいるかもしれない。
ただ、そう言って笑おうとする、その悪意にも、私はもう飽きている。」
この頁にイチョウの葉を挟んだこの本の持ち主は、
何を思ったんだろうと。
自分が読んで感じたこと以上に、姿の見えぬ誰かに想いを馳せる。
「説明するのが簡単な関係なんて、あってもなくてもいいようなもの」
イチョウの葉を残したまま、
私もまた違う頁に"何か"を挟んでみる。