言葉が詩になるとき―笹井宏之歌集より
笹井さんの短歌に出会ったとき、心が現実から離れるような、ふわっと浮くような、不思議な感覚になりました。言葉が短歌の型のなかにおさまっているものの、すごくスケールの大きなものとしておかれているように感じました。辞書でその言葉の意味を調べてもそこには書かれていない、笹井さん自身の言葉として存在しているのではないか、詩のなかでつかわれる言葉には、理屈を超えた意味が含まれてゆくのではないか、そのようなことを考えながら読みました。
「海の時計」、そして「海の時計のおんぼろの窓」とは何