ハルモニたちが作る美味しいおかず
周囲の人たちに折に触れ家では韓国料理を作らないと言いふらしているせいか、ママ友たちが「これ食べて」と美味しいパンチャン(おかず)をよく差し入れてくれます。雑魚を甘く炒めたものやうずらの卵の醬油煮、ほうれん草や青梗菜のナムル、キンパ、時にはプッチンゲ(チヂミ)のタネなんかも。どれもこれも美味しくて有り難くてすぐに食べ切ってしまいます。
韓国のパンチャン大好きだけれども家では作らない、そのわけは食堂で食べたほうが美味しいから。これに尽きます。材料を揃えて慣れないヤンニョムを調合し味を調えていくよりも長年作り続けているプロたちのパンチャンが一番。要は自分の腕に自信がないだけですが。今日は집밥(おうちごはん)を食べたくなったら行くお店のお話です。
肝心の外観をいつも撮り忘れてしまうのですがここは築90年の韓屋をリモデリングした美しい食堂。청수정がお店の名前で、おそらくこの韓屋の屋号からとったのではと思います。この食堂があるエリア청수골は順天の旧市街の中心に位置し昔から清んだ湧水で有名だった地域だったとか。ゆえ名前が청수(清水)なのかな。しかしながら달동네といって住宅が密集した地域でもあったため2015年以前は道路がなく下水普及率30%、都市ガス普及率は0%という状態。そこで順天市が5億ウォンを投じてインフラを供給、多かった空き家をリモデリングする事業を推進したとのこと。そのリモデリングした家屋の運営を地域住民に託した結果、60代以上の住民が協同組合を作り運営する食堂が誕生。これが청수정ということになります。
この食堂の何が好きかといえば地域で採れた旬のものを使った美味しいパンチャンを食べることができること。この日はサツマイモの茎のナムルとかぼちゃの葉っぱのナムルが美味しかったな。チャプチェにはほうれん草ではなく青梗菜だったのは葉物の価格が高騰していた時期だったから。
メインは中央のテジプルコギ。辛すぎず小学1年生の子も辛いと言いつつ箸が進む美味しさのよう。夫曰くお弁当にも必ず入る定番のおかずですが、前述通り我が家の食卓には上らないので、ここで思う存分食べています。
定番といえば됀장국、これもシレギたっぷりで美味しい。青唐辛子が入っているのでぴりっとしてて大人向け。
追加で頼むのが豚肉とセリのジョン(チヂミ)でこれもとっても美味しい。今回は今の時期はセリよりもヒメニラが美味しいよ!とのことで中身が違うんですが、これも十分美味しかった。チヂミといえば海鮮だけど豚肉で作ってもジューシーで食べ応えあって良い。
ザクザク切った野菜が入っているタレにつけて食べるんですがこれも旨い。韓国語ではタレを양념장といいますが、これに個性を出す人たちが多いこと。友人宅に招待されてお酒飲むときそのおつまみでお刺身やジョンや干物を食べたりするけれど、小皿にお醤油入れてそこにどんどんと追加してオリジナルのタレをみんな作るです、これに漬けてたべると美味しいよって。このチヂミのタレもきっとハルモニたちの長年の経験が詰まっているんじゃないかと、食べながら思いました。
また季節が変わるころにパンチャンを食べに行かなくちゃ。
청수정
전남 순천시 공마당 2길 143
061-752-5280