あいさつできない日本のオトナたち(2)
先だって,私は「あいさつできない日本のオトナたち」のことを申し上げました。
あいさつできない日本のオトナたち(1)|shi_sha_juken (note.com)
自分の名前を名乗らない,挨拶をしない。これは,人として恥ずべきことです。このようなことを申し上げては失礼ですが,小学生でもできることです。仕事云々以前の問題と言わなければなりません。
私生活上のことであれば,その人が嘲笑・侮蔑されるだけです。それによって,無関係な私たちが被害を受けることはありません。しかし,#契約 等が関係する #ビジネス の場面をこれと同列に扱うことはできません。
殆どの方は知らないと思いますが,「名前を名乗らない」ということは実は #ビジネス の成否に大きくかかわります。
#株式会社 #特例有限会社 の #取締役 #代表取締役 ・ #合名会社 #合資会社 #合同会社 の #業務執行社員 #代表社員 は必ず登記されていますから,代表権の有無を #登記事項証明書 によって確認することができます。また,これらの #会社 の #支配人 も登記されているはずですので,その存在も #登記事項証明書 によって確認することができます。
しかし,一般の従業員( #商法 #会社法 における #商業使用人 )は登記されない(そもそも,従業員にかかる登記制度は存在しない)のですから,外部から各人がどのような権限を有しているかを知ることはできません。つまり,登記されている役員(取締役・代表取締役/業務執行社員・代表社員)又は支配人以外の商業使用人(一般の従業員;いわゆる社員のこと)が個人商人又は会社を対外的に代理する場合,名前を名乗らなければ権限の有無すらわからないのです。これは,いわば個人商人・会社が #無権代理人 を寄越しているに等しいのです。権限があるかのごとき装って,会社の代理人であるかのようにふるまう行為は,悪質と言えると思います。
なお, #求人 ・ #求職 の場面において,「人事部(課)」や「総務部(課)」所属の一般従業員が応対することがありますが,会社側(又は応対する一般従業員)が権限の有無とその内容(範囲)を明らかにする必要があります。
判例(平成2年2月22日最高裁判所第一小法廷判決)も,
と判示しています。この判決は30年以上前に言い渡されたものですが,判例変更されていませんので,会社法14条1項についても適用されると考えられます。
名前を名乗らなければ,相手方である #求職者 はその人が受任者であるかどうか知る由がありません。
名前を名乗らない。ビジネスマナーに反するだけでなく,いろいろなトラブルを引き起こす危険があることを,私たちは理解しておく必要があります。
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