#オヤカク #オヤオリ の問題点(4)
#オヤカク #オヤオリ の問題点の3つ目まで申し上げてきましたが,少しおつかれになられたことと存じます。ご清読ありがとうございます。
いよいよ,#オヤカク #オヤオリ の問題点の4つ目を申し上げます。これが最後の問題点です。少し長く感じられたと思いますが,もう少しだけ我慢してご清読くだされば幸いです。
「どうして,#新規学卒者 でなければならないのか?」この質問に対して明快に答えられ,かつ,その答えを以って万人を納得させられる人がいらっしゃるでしょうか。
日本独特の #新卒一括採用 の仕組みは長らく昭和から令和の今でも続けられてきましたが,この仕組みが本当にいい仕組みで必要なのか否か,私には疑問です。
6. #新卒一括採用 は人を不幸にする
このように申し上げますと,いろいろな反論が寄せられそうです。しかし,これは紛れもない事実です。そして,そのことは, #就職氷河期世代 の存在が明瞭に証明しています。
#新卒一括採用 の仕組みは,確かに平成の初期まで機能していたかもしれません。しかし,いわゆる「バブル経済崩壊後」において,多くの問題点を私たち( #日本社会 #日本の世間 )に突き付けました。
1. 景気や時勢の波に弱い
まず,#新卒一括採用 の仕組みは,景気の変動又は時勢の波に左右されやすいと言えます。つまり,景気のいい時又は #人手不足 の時には求職者である #シューカツ生 #就活生 に有利に働きますが,景気の悪い時又は #人員過剰 の時 #シューカツ生 #就活生 にとって不利です。#シューカツ #就活 に臨む時点の外的要因が良し悪しを決めてしまう,ひいては #シューカツ生 #就活生 の一生を決めてしまう制度が, #新卒一括採用 です。一部において「公平な制度」と強弁されていますが,必ずしもそうでないことは明らかです。#シューカツ生 #就活生 にとって不利な時期に #シューカツ #就活 に臨んだものの,就職できぬままに学校卒業を迎えた場合,その人に出直しの好機(一昔前に流行した #再チャレンジ )が間違いなく設けられるのであればまだましかもしれません。しかし,現実に目を向けますと,#就職氷河期世代 に対してそのような機会が設けられることはありませんでした。寧ろ,#就職氷河期世代 の存在をなかったことにしようとする動きすらありました。そして,その動きは,未だに続いているのです。
2. #新卒一括採用 とは,学校名差別である。
意外と知られていないことですが,#新卒一括採用 とは,学校名差別です。このことは,私以外の方からも指摘されています。例えば,いわゆる「在京有名大学」在籍者でなければ会社説明会にすら参加できないということすらあるようです。
これは,溝上憲文氏の記事の引用ですが,オフレコで人事担当者も #学歴フィルター として認めています。
上記の引用は,ITmediaビジネスONLINEによるものです。オフレコとはいえ,このようなことが公然と行われているのが現状です。このような記事を読んで,「公平な制度」と思う人はいないはずです。公平どころか,明らかに不公平な制度。なお,同記事によりますと,最近では,「AO・推薦フィィルター」なるものまで登場しているようです。
3. #新卒一括採用 は,時代の遺物にして,既得権益保護の制度
#新卒一括採用 の慣行は,確かに #バブル経済崩壊 の時(概ね1990年代初頭か)まで有効に機能していたかもしれません。しかし,#バブル経済崩壊 を以ってその役割を終えたと考えるのが,自然かつ妥当だと思います。
子どもの数が明らかに減っている時代において,#新卒一括採用 の慣行を維持し,これにしがみつくことは,反時代的と言わざるを得ません。
子どもの数が減っているということは,#求人者 間で #シューカツ生 #就活生 の取り合い(奪い合い)が起こるということです。当然,恩恵に与ることが出来る #求人者 と恩恵に与れない #求人者 とが生じます。恩恵に与れない可能性が常に在るのだとすれば,わざわざそれにしがみつく必要はないはずです。しかし,それにもかかわらず,#新卒一括採用 にしがみつづけることは,愚行と断じざるを得ません。
縦しんば,恩恵に与ることができたとしても,就職後1年で離職する方もいらっしゃいます。仮に離職しなかったとしても,ひとつの組織に長年継続勤務できるかどうか,誰にもわからないのです。寄りかかる会社・組織がなくなってしまうことも,考えられるからです。そのように考えますと,#新卒一括採用 にこだわる必要はないと,考えられます。なお,これは余談ですが,現在開会されている,第213回通常国会において,雇用保険法の一部を改正する法律にかかる法案が政府から提出されています。その内容は,次のとおりです。
また,これと別に,正当な理由のない自己都合退職による離職被保険者に対する #失業等基本手当の支給について , #給付制限 が2か月設けられていますが,今後(令和7(西暦2025)年4月1日以降か)給付制限期間が「1か月」に短縮される予定です。
これらの改正が施行されることで,労働者は離転職しやすい環境を得ることができます。言い換えますと, #キャリアアップ を目的として3年以内に離職する #新規学卒者 が出てくる可能性が考えられ,#求人者 はそのことをも念頭に #求人活動 を展開する必要があります。従前の常識はもはや時代遅れであり,通用しないということです。そのことを認識できる方々は,早々に #新卒一括採用 にしがみつくのをやめ,現実的な解決策に向かうでしょう。そうだとすれば,#オヤカク #オヤオリ も当然不必要です。なぜならば,#オヤカク #オヤオリ は,#新規学卒者 対象の #新卒一括採用 を前提とするものだからです。#新規学卒者 にこだわらないのであれば,#オヤカク #オヤオリ を為す理由はどこにもありません。
4. いつでも,どこでも,誰でも,「やりなおし」ができる社会
#新卒一括採用 が経年劣化し,その意義が失われつつあることは,衆目一致するところだと思います。殆どの人々はうっすらながらそのことに気が付いているのですが,自分が「既得権益」の権化になってしまっているために取りやめようとすらしません。
ところで,#人生100年時代 という言葉を聞いたことがあるでしょうか。この言葉は,ロンドン・ビジネス・スクール教授のリンダ・グラットン氏とアンドリュー・スコット氏が唱えたものです。#人生100年時代 を前提に考えますと,そもそも「ひとつの組織において長年継続勤務する」という価値観が正しいかどうか,一度疑う必要があると思います。これは完全な私見ですが,現在の子どもたちは,#人生120年時代 を生きていくかもしれません。これらの価値観の下,ひとつの組織における長期継続勤務はもはや不可能なのかもしれません。「法人は死なない」とはいえ,その法人を運営するのは生身の人間。すなわち,自然人です。法人を切り盛りする自然人がいなくなってしまっては,法人そのものも消滅せざるを得ません。そのように考えますと,「ひとつの組織において長年継続勤務する」という価値観を捨て去り,「いつでも,どこでも,誰でも,『やりなおし』ができる」社会のほうがより現実的で,価値あるものと言えると思います。「いつでも,どこでも,誰でも,『やりなおし』ができる」社会であれば,#新規学卒者 にこだわる理由はなくなります。それならば,当然 #オヤカク #オヤオリ も不要です。
#人生100年時代 が目の前にある以上,そのことを前提とすることのほうがより現実的かつ生産的だと思います。#新卒一括採用 の慣行は,古き良き「人生70年時代」の発想に基づくものです。そのような制度にひたすらしがみ続けることは,#人生100年時代 に反し,かえって人を不幸にします。
これまで, #オヤカク #オヤオリ の問題点を申し上げてきました。 #オヤカク #オヤオリ と #新卒一括採用 の慣行とは強固に結びついていますが,結局のところこれらは,いわゆる #オワハラ の亜種・変形でしかありません。つまり, #新卒一括採用 をやめれば, #オヤカク #オヤオリ の問題がそもそも生じることはありません。
日本人・日本の世間・日本的組織は, #人生100年時代 #人生120年時代 を前提とした,「いつでも,どこでも,誰でも,『やりなおし』ができる」社会 を志向すべきだと思います。そして,それはみんなにとっての最善解だと,私は思います。
ご清読ありがとうございます。