Sherpa of Writers 特別イベント「ことばの伴走者の働き方」【イベントレポート】
皆さんがお仕事をするなかで、大切にしたい想いはありますか?
「私だからできることってなんだろう?」「どうすれば自分もクライアントも笑顔になり、共に成長できるだろう?」
そんな思いを抱いている方は、「ことばの伴走者」というキャリアが合っているかもしれません。
今回は、2022年11月5日にオンラインで開催された、Sherpa of Writers特別イベント「ことばの伴走者の働き方」の内容をレポートします。
登壇者は、中小企業に寄り添う「ことばの伴走者」、ひのりほさん。
そしてひのりほさんの元でノウハウを学び、ライターとして活躍される恵梨奈さんがモデレーターを務めます。
「ことばの伴走者」と一般的なWebライターとの違いは?
お仕事をする上でのやりがいや大変なことは?実際のお仕事獲得法は?
リアルな話も飛び交ったイベントの内容を特別に公開します!ぜひ最後までお付き合いくださいね✨
ことばの伴走者とは
まずは、ひのりほさん(以下、ひのりほ)より「ことばの伴走者」を目指した背景をお話いただきました。
働きながらも理想の働き方を模索する日々
ひのりほ:
ライターとして駆け出しの頃、こんな風に思っていました。
「企業の『ことば』の課題解決ができるようになりたい」
「自分だから任せてもらえる、お客様にとってオンリーワンのライターになりたい」
しかしいわゆるWebライターは、SEO記事を量産したり、クラウドソーシングで、依頼された通りに淡々と作業をこなしたりするようなイメージがあって。
「Webライターは自分にとって理想の働き方ではないかも?」と違和感を覚えたのです。
やっと辿り着いた理想の働き方〜「ことばの伴走者」とは?~
ひのりほ:
がむしゃらに営業をかけて、仕事に打ち込みながら、悩みに悩み抜いた末に辿り着いた自分の強みを生かせる働き方。それこそが「ことばの伴走者」です。
ことばの伴走者の働き方~リアルな働き方を公開~
ここからは、恵梨奈さん(以下、恵梨奈)がひのりほさんに「ことばの伴走者」としての働き方を詳しく尋ねていきます。
ひのりほさんが実際に担当しているクライアントさんの事例をもとに語っていただきました。
※イベント開催当時(2022年11月)の情報です
名刺交換会に飛び込み、経営者との人脈を形成
恵梨奈:
まずは企業との繋がりをどうやってつくるのか、教えてください。
ひのりほ:
A社とは、ライターを始めた頃に名刺交換会で出会い、そこから2年以上のお付き合いをしています。
B社は、A社からご紹介いただきました。ただ「知り合い」だからという理由だけで仕事をいただいたわけではなく、ヒアリングや面談を経て契約を結んでいます。
恵梨奈:
名刺交換会はどうやって見つけたのですか?
ひのりほ:
主にGoogleで「名刺交換 ライター 交流」と検索して、片っ端から参加していきました。
恵梨奈:
そういった場には経営者の方が多く、ライターや他のクリエイティブ職の方があまりいないイメージです。
ひのりほ:
いなかったですね(笑)。ただ当時は失敗を恐れず行動あるのみ、と考えて突撃しました。
本来はメディアの方と繋がれる編集者交流会に行くべきだったと思います。しかし、初めに経営者の方と交流したことが、企業さまの悩みを知るきっかけとなりました。企業さまのを課題解決を支援する今の働き方に繋がっていると思います。
恵梨奈:
その経験が「ことばの伴走者」の原点なんですね。
ひのりほ:
その通りです。「メディアで書きたい」という希望を持つライターさんは、メディアのライター募集の欄を見てみたり、募集が出ていなくても問い合わせをしたりするアプローチもいいと思います。
自分のアピールではなく、企業さまの悩みを聞くことが大事
恵梨奈:
商談を進めるのは大変なイメージです。具体的にはじめのヒアリングでは、どのようなことを意識していますか?
ひのりほ:
自分が持っているスキルのアピールよりも、企業さまのお悩みをヒアリングすることに重点を置いています。
ポイントは以下の通りです。
①事前調査をしっかり行う
具体的には、企業と最初にメールでコンタクトをとった時点でお悩みを聞きます。当然、企業の概要はHPなどを見て頭に入れておきます。
②自分が提供できることを明確にして打ち合わせに臨む
ヒアリングでクライアント様の課題を引き出し、自分が提供できることとマッチする部分を提案します。
例えば、「メルマガを送りたいけど何から始めてよいのかわからない」というお悩みがあれば、マーケティングツールの導入と、週1回配信を担当させていただけないかを提案します。
他にも「最近どうですか?」「広報さんはお忙しくないですか?」といったコミュニケーションから、お悩みがポロリと出てくることが多いですね。
恵梨奈:
Webライターの案件獲得はポートフォリオをメディアに送るのが一般的ですが、ことばの伴走者は企業様にヒアリングを行うんですね。
ひのりほ:
ポートフォリオがあるに越したことはないですが、ことばの伴走者は、「相手の課題をどれだけ解決できるか」が何より重要です。
これができると「あなただからお願いしたい」と言っていただけますし、その分単価もあがり、自分だけの価値提供ができます。
クライアントと伴走して課題解決の支援
恵梨奈:
契約後の打ち合わせはどのように進めていますか?
ひのりほ:
A社では、月2回セミナーを開催するので、それにあたって隔週で1時間ミーティングを行います。内容は以下の通りです。
メルマガの内容を決める
集客の仕方を考える(イベント告知をどのメディアに載せるかなど)
クライアント様からのご要望を伺う
送付したメルマガの開封率について一緒に分析する
恵梨奈:
りほさんは社外の人ですが、単に「記事を書く人」ではなく、社員と同様に課題解決に向けて一緒に考えているんですね。
ひのりほ:
企業の課題解決に向けて、私自身も日々勉強し、クライアント様からも要望を受ける。一緒になってベストな解を目指していけることにすごくやりがいを感じます。
記事の構成やタイトルの意図など、工夫点を伝えることで自身の成長にも繋がります。相手とリアルにコミュニケーションをとることが、一般的なWebライターにはない魅力だと思いますね。
恵梨奈:
では、B社はいかがでしょうか?
ひのりほ:
B社とも週に1回打ち合わせをしています。
B社はココナッツオイルの化粧水を扱う企業様なのですが、「ココナッツオイル」と聞くと、一般的には食用のイメージを持つ人が多く、以前は企業と消費者が持つイメージに乖離が生じていました。
そこで、ことばの伴走者として中立の立場で「消費者は食用と思ってる方が多いかもしれませんね」「化粧水としてのココナッツオイルを認知していただけるよう、伝え方をこんな風に工夫しましょう」などとご提案しました。企業さまの想いを消費者に伝わるようにことばを翻訳し、橋渡しするイメージです。
自分の意見が、企業の「ことば」を変える
恵梨奈:
「ことばの伴走者」として、楽しい面と大変な面を教えてください。
ひのりほ:
楽しいポイントは、クライアント様から頼られ、自分の意見を反映していただきやすいことですね。結果を出して、相手の喜ぶ顔が見られたときは「ことばの伴走者」を体現できていて嬉しいです。
とはいえ、自分の意見が100%通るわけではありません。想いを持ってご提案した際も、考えや予算が合わず却下されることもあります。
ですが、これは「ことばの伴走者」だけでなく、他の仕事にも共通することであり、ビジネスパーソンとしての経験だと考えています。
クライアントに対してコミットする働き方
恵梨奈:
1社に対して、1ヶ月あたりどのくらいの業務時間を充てていますか?
ひのりほ:
A社は50~60時間ほどです。メルマガ、インタビュー、導入事例のほかに、
週1回の広報ミーティングや隔週に1回のセミナーミーティングへの参加、他にも臨時でミーティングがあれば参加しています。
チャットツールを使った折衝も含めて、だいたい50〜60時間ですね。
B社は、メルマガの原稿執筆や、勉強時間を含めて10時間弱です。
恵梨奈:
A社に対する支援内容がメルマガ、インタビュー、導入事例とボリュームがあるので、メルマガのみのB社と比べて必然的にコミットする時間も増えるのですね。
インタビューと導入事例、どう使い分ける?
恵梨奈:
企業案件におけるインタビューと導入事例、どちらも取材ですが何が違うのでしょうか?
ひのりほ:
インタビューは、相手の人生や考え方など主観的な想いを深掘りするように取材していきます。
例えば、社員インタビューでは「なぜこの会社に入社しようと思ったのですか?」と尋ねたり、創業者インタビューでは「何故この会社を立ち上げようと思ったのですか?」と尋ねたりします。
相手の話す内容を受けて、インタビューの流れも変わるので質問する内容も変わります。
それに対して導入事例は、導入のきっかけ・課題・効果など客観的な事実を取材をしていきます。具体的には、「サービスを導入したことでどんな効果がありましたか?」「何%売上が上がりましたか?」などを伺います。
どちらも、おもしろいですよ!
質疑応答
参加者から事前にいただいた質問に、ひのりほさんと恵梨奈さんが回答しました。
Q1. 自分ではうまく書けた!と思っても、クライアントさんから評価されません。自分にはスキルがないのでしょうか。
ひのりほ:
クライアント様に評価をいただけないことは、プラスに考えると、現時点での自分の実力が客観的に知れたということ。そこから「クライアントさんが求めるレベルになれるように、もっと勉強しよう」と対策が立てられるので、現在地の確認としてを受け止めるべきだと考えます。
質問者さんが「ライティング力が上がらない」と判断するのは早すぎるかもしれません。ライティング力は一朝一夕で身に付くものではないからです。
私も執筆を繰り返しているうちに、気づいたら人から褒めてもらえるようになっていたと思います。
編集プロダクションに入ったり、ライティングの講座を受けたり、いろんな人にフィードバックしてもらえる環境に身をおくと、成長スピードは上がりやすいと思います。Sherpa of Writersで学ぶのもひとつの方法です。
恵梨奈:
私もSherpa of Writersを受講して、執筆を集中して繰り返した時期がありました。「書く・添削してもらう・改善して書く」を繰り返したことで、自分が過去に書いた文章と比べて目に見える変化を感じました。
ひのりほ:
自分は何ができて、何ができないのかを理解しないまま進んでいくより、フィードバックを受けて自分の苦手な部分を知った方が、ライティングスキル向上においてすごく財産になりますよ!
Q2. お仕事の広げ方(初めて挑戦する分野・営業方法)を伺いたいです!
ひのりほ:
Webライターとことばの伴走者とでは少し異なります。Webライターの場合、やはりポートフォリオを用意することは重要です。挑戦する分野に似たポートフォリオや、自分で書いたnoteの記事もメディア様へのアピールに繋がると思います。
ことばの伴走者の場合は、クライアント様の業界の勉強ですね。私は美容業界にいたことも、コンサルティング業をやったこともないので、各分野の常識を頭に入れることが大切にしています。予備知識があってこそ、先に話した「ヒアリング」ができるんです。
ヒアリングの際に多少分からないことがあっても熱意は伝わりますし、他の人ができないことが少しでもできると埋もれにくく、重宝されます。きっと「あなただから依頼したい」と言ってもらえるはずです。
Q3. インタビューなどを掲載する場所はホームページなどですか?
ひのりほ:
クライアントによりますが、基本的には企業のホームページです。
他にはnoteやFacebook、LinkedInといった求人サイトなど、さまざまなメディアに掲載します。
Sherpa of Writersを通じて受けたお仕事に関しては、執筆者の名義が記載されるので、きちんと企業案件の実績として積み上げることができます。
Q4. ライターではなく、敢えて「ことばの伴走者」として定義した意図は?
ひのりほ:
ことばの伴走者は、企業の課題解決のために伴走するのがお仕事です。その目的のためであれば、ことばを使って伴走できることは全部します。ライティングやインタビューをメインとしつつ、マーケティングやPR視点も取り入れ、必要であえばイベントの司会まで任せてもらいますね。ライターという枠にとらわれないため、「ことばの伴走者」と定義しました。
ことばまわりの仕事がいろいろできるようになると、将来の可能性が広がります。
例えば「PRをもっとやりたい」「マ-ケティングをもっと勉強したい」など、未来像を持つ方もいるかもしれません。ご自身がどんなライターになりたいかを具体的にイメージできるようになるきっかけとしても、大きな価値がある働き方だと思います。
参加者の声
イベント終了後、参加者から「新しい働き方」にインスパイアされた感想が次々と寄せられました!
まとめ
「企業の課題解決に向けてことばを用いて伴走する」
このイベント内容を聞くまで、高いスキルが必要で自分には難しいと考えていました。
しかしひのりほさんは、ライター始めたての頃から、名刺交換会などに参加するなど、積極的に行動。自らチャンスをつかみ取ったからこそ、「ことばの伴走者」としての活躍があるのですね。
Sherpa of Writersは、そんなクライアントへの熱意を持ったひのりほさんが、「ことばの伴走者」としての生き方を1on1で伝える家庭教師型の講座です。
みなさんも、お仕事をする上で大切にしたいことをぜひ一度ゆっくり考えてみて下さい。困ったときはひのりほさんに相談すると、きっと応援してくれますよ。
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Sherpa of Writersでは、新規受講生を随時募集しています!
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Text:Hisayo
Design:Saki Matsumoto
Edit:Erina Hashimoto /Haruka Hayashi