第10話「BVEATSとの出会い」
生きていくのに十分なお金はあった。
残業を多くした月の給料日は、
少し贅沢な食事をした。
ボーナスが入れば、
高級なものを買った。
臨時の日当が出れば、
夜の歌舞伎町を豪遊した。
自分が喜ぶのに十分な給料があった。
オフィスもあるし、
コピーもできるし、
福利厚生もあるし、
支給されたPCも、
社用携帯もあった。
これ以上お金を稼ぐ必要なんてない。
お金を無駄に稼いでる奴は傲慢だ。
僕はもっと質素に、
より安く生きれるようなライフハックを使って、
上手に生きていくんだ。
そう思って生きていた。
でも
あくまでそれは
「自分を喜ばせること」
に十分なお金であった。
そんなときに出会ったのが、
今僕が働いているBVEATSのMEMBERだった。
彼らは、
僕より年下なのにも関わらず、
僕の何倍もお金を稼いでいた。
僕は「お金を稼ぐ」ということは「悪」だと思っていた。
でも、彼らは言った。
僕らは命を懸けて人を喜ばせたい。
人を喜ばせるのに、お金が必要だ。
だから僕らは、お金を稼がなければならない。
お金を稼がなくていいってのは、
極めて自己中だ。
衝撃だった。
お金を稼ぐことは悪ではなかった。
彼らは、
人を喜ばせ、
お客様に愛され、
サービスを愛し、
そして、
お金を稼いでいた。
詐欺まがいの投資情報で稼いだり、
怪しい情報商材を売ったり、
人の犠牲の上に成り立っているビジネスが乱立する世の中に、
「ビジネスで愛される」という
一つ輝く美学があった。
それで人は喜んでるのか?
お前は人を喜ばせてるのか?
BVEATSと出会って、
僕はそんなことを問いかけられた。