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早口・リリースカットピアノ・丸サ進行全部盛りの曲を作ってもあんまり伸びなった話。(ヒロイック・アナライザー楽曲解説)

こんにちは!

北海道・札幌で音楽活動をしているヨシカです。

宅録バンド shenome(シノメ) でボーカル&ギターを担当しながら、ヨシカ 名義でボカロ曲も時々アップしています。

ついに今日から24日まで「ボカコレ(The VOCALOID Collection)」が開催されますね!

〇公式サイト

急に「ボカコレ」と言われても、「それって何?」と思う人もいるかもしれません。

ボカコレとは、ボカロ文化を軸に、クリエイターやリスナー、企業などが参加できる一大イベントです。
インターネットを中心に活躍する人たちが集まり、楽曲投稿や配信、さまざまな企画が展開されます。

引用元:「The VOCALOID Collection - ボカコレとは」
https://vocaloid-collection.jp/about/


今日の 19:00 から ルーキー部門 の投稿が始まり、
22日の00:00 には TOP100・REMIX部門 の投稿が続々スタート!

そんなボカコレに向けて、
自分も ボカロ新曲「てあそびうた feat.カゼヒキβ」ニコニコ動画 に投稿します!

自分は TOP100部門 で投稿予定!

なので 22日の00:00 から、ぜひ聴いてみてください! 

Xでは、いろんな方が 予告ツイート を投稿していますね!

自分もさっき 宣伝ツイート しました。

・・・でも遅いか?

こういうの、タイミングが難しい。

短い宣伝動画でも、曲や動画の クオリティの高さ が伝わってくる。

「こんなすごい曲が集まる中で、自分の曲は埋もれてしまうんじゃないか?」

そんな不安もある。

でも いい曲ができたし
ランキングはあるけど、まずは たくさんの人に知ってもらうきっかけ にしたい。

・・・とはいえ、やっぱり 自信のある曲だからこそ、できるだけ多くの人に聴いてほしい。

そんな気持ちが ループ しています。

せめて、自分の自慢の曲を 「うちの子こんなに素敵なのよ!」 って紹介したい。

なので 投稿後に解説記事をこのnoteで公開 します!

そして、新曲を公開する前に、「今までどんな曲をアップしてきたのか?」
今週は 過去の投稿曲を解説 しています。

新曲公開直前の今日は、現時点で最新の「ヒロイックアナライザー」を紹介!

・YOUTUBE

・ニコニコ動画


これはCeVio AIの可不をお迎えして、最初に作った「hollow diver」と一緒に衝動のまま作った曲です。

CeVio AI、可不の出会いと「hollow diver」について詳しくはこちらで書いてます!

ただ、最初から最後まで衝動のままに作った「hollow diver」とは違い、「ヒロイックアナライザー」は一度作って、冷静になって再度作り直すことにしました。

当時は、たくさんの人に聴いてもらうために、いろいろと工夫しようと思いました。

結果として、現時点で…..

✅ YouTube:166回
✅ ニコニコ動画:109回

100人以上に聴いてもらえたのは大変ありがたいですが、全然伸びませんでした……。

それでも、ここに実行したことを書いて、何がいけなかったのか、次回に活かせたらなと思います。


ひとつずつ解説していきます。

■ 曲を短くして、何度も聴いてもらう


これはそのまんまですね。

当時、マーシャルマキシマイザーで2:45、長くても3:00の曲が多かったように思います。

ボカロ曲に限らず、短い曲のヒット曲は結構ありますよね。

・こっちのけんと -「はいよろこんで」

内容の濃い短い曲で一気に突っ切って

「なんだったんだ!? もう一回聴こう!」
「気づいたら何度も聴いてる」

そんなふうに、一人当たりの再生回数を狙う作戦でした。

というわけで「ヒロイックアナライザー」は 1分58秒 に収めました。

その中でも

• 1番 Aメロ → Bメロ → サビ
• 2番 Aメロ → Bメロ
• 落ちサビ → ラスサビ → Cメロ

と、詰め込むだけ詰め込みました。

〇では、なぜあまり受け入れられなかったのか?


これは、次の「情報量の多いアレンジ」や「流行の手法を取り入れる」にも通じますが、
曲自体のインパクトが足りなかったように思います。

流行りの曲の表層だけを取り入れるような真似をしても、
それっぽい曲ができるだけで、

• なぜ曲を短くする必要があるのか?
• なぜそのアレンジは流行るのか?
• なぜ情報量の多いアレンジが必要なのか?

このあたりをちゃんと考えて、取捨選択する必要があったんだと思います。

〇 なぜ曲を短くすると効果的なのか?


最初に書いた狙いも正しいと思います。

そもそもなぜ曲を短くするのかといえば、現代人はスマートフォンで娯楽が簡単に得られるなかで、
ファンでもなんでもな人の曲なんか4分も5分も付き合ってられないからじゃないかと思います。

皆さんもYOUTUBEで新曲聴くときにイントロ2秒くらい聴いてすぐ、サビまでシークバーで飛ばしたりしたことありませんか?

それを阻止させるために、曲を短くする、もっといえば、
聴きどころまでを短くする必要があるのだと思います。

ですが、これも古い考えかもしれません。

こっちのけんとさんの「はいよろこんで」のように、
もはやAメロ・Bメロで興味を引き付けるサビではなく、
サビくらいインパクトのあるセクションを複数つくる
というのが、
現代の即効性を持たせる作品としては有効だと思います。

さらに、現在は特に若い人はリスナーでもありクリエイターです。

そのクリエイターの素材として、
サビだけが素材ではなく、曲の中でキャッチーなセクションが複数あると、
それだけ素材が多い。

ということは聴かれる、シェアされるチャンスが増えるということです。

この現状については是非が問われると思いますが、それはまた別の話。

そして、最終的にどの方法を選ぶかは作曲者の自由です。

この話を通して自分が感じたのは、「曲を短くするから受ける」のではなく、
なぜ短くするのかの理由を自分なりに理解する必要があった
ということです。

■情報量の多いアレンジ


「ヒロイックアナライザー」では、とめどなくリードギターが炸裂する曲を作ろうとしました。

参考にしたのは ヒトリエsora tob sakana



また、

• ベースは スラップを多用
• ドラムは 隙あらばフィル
• さらに リリースカットピアノの応酬

一聴して 「なんじゃこりゃ!?」 となるのを目指しました。
しかし、それでも まだまだ「普通」の域を出ていない ですよね。

〇「なんじゃこりゃ」と思わせるには

ヒトリエやsora tob sakanaもそうですが、
「楽器の情報量で圧倒する」なら Suspended 4th くらい突き抜けていないといけないし、
「音作りの衝撃」でいくなら、マーシャルマキシマイザーのキックの音 くらいのインパクトが欲しい。

メインメロディーに対してリードギターを思い切り鳴らすなら、もっと振り切るべきだったし、
そういう意図で作るなら 音量バランスも徹底的に調整 するべきだった。

また、情報量を増やすことばかりを考えてて、聞き手への意思が欠けていた点も反省しています。

例えば、楽器の情報を詰め込むだけだと聴き手が混乱するので、
時々 メインメロに寄り添うフレーズを入れて緩急をつける といった工夫をすればよかったと思います。

それに、情報量の多いアレンジ(と本人が思っているだけ)に対して、
ミックスが こじんまりしていて、中途半端な印象 が否めません。

せっかくの情報量を活かしきれず、結果として 「情報が多いのにインパクトが薄い」 という状態になってしまいました。

■流行の手法を取り入れる


当時よく使われていた手法として、以下の3つを取り入れました。

• リリースカットピアノ
• メロの早口セクション
• 丸サ進行

〇リリースカットピアノ


リリースカットピアノは、当時の流行りの手法のひとつですね。

これは、ピアノのリリース(余韻)をカットすることで、小刻みなサウンドを生み出す技法です。

通常のピアノでは得られない独特の質感があり、テンポの速い曲と相性が良く、疾走感のあるフレーズに向いています。

今回のピアノフレーズ自体は気に入っていますが、もう少しメインメロディを意識したフレーズ作りができれば、さらに良くなったかもしれません。

〇メロディーの早口セクション


これはボカロ曲ならではの手法ですね。

古くは wowaka さんや cosMo@暴走P さんの楽曲に始まり、最近では サツキ さんの「メズマライザー」まで、脈々と受け継がれている技法です。

今回は自分の曲にも取り入れましたが、早口特有の「気持ちよさ」が少し足りなかったかもしれません。

音楽は「緊張」と「緩和」の連続だ、と誰かが言っていた気がします。

例えば、コード進行において トニック → ドミナント → トニック という流れが、
ドミナントで緊張を高め、トニックで解決(緩和)することで、聴き手に心地よい開放感を与えますよね。

早口パートも同様に、楽曲の中で最もスリリングな緊張感のある部分として機能し、
その後のサビや別セクションで解放感を生み出す…という構成にできれば、
より「聴いていて気持ちいい流れ」にできたのではないかと感じました。

〇丸サ進行

「丸サ進行」 とは、椎名林檎さんの「丸の内サディスティック」で使われているコード進行のことです。

「ヒロイック・アナライザー」曲では、サビで丸サ進行が登場します。

CM7 → B7 → Em → G

ディグリーネームにすると、

ⅣM7 → Ⅲ7 → Ⅵm7 → Ⅰ

ちなみに、「丸の内サディスティック」の進行(ディグリーネーム)は、

ⅣM7 → Ⅲ7 → Ⅵm7 → Ⅰ7

となっており、比較すると最後のコードが違います。

「丸サ進行」のほうは ⅣM7 をトニックとしたときのドミナントがⅠ7 になるため、より強力な循環が生まれています。

自分の曲では、この形を使わなかった理由として、以下の2点があります。

  • いろいろな楽器が鳴る中で、ノンダイアトニックコード(Ⅰ7)を入れると音がぶつかりやすくなるため、それを避けたかった。

  • 楽曲全体の情報量が多いため、コード進行はできるだけシンプルにしたかった。

ただ、次回はもう少し思い切ってコードワークを工夫してみるのも面白いかもしれません。

■最後に


こうして反省点を上げていくと、
どうしても聴いてみようという気持ちが湧きづらい記事になってしまったかなと感じています...…

それでも、個人的にはこの曲にとても愛着があり、
当時できる限りのアイディアを注ぎ込んで全力で作り上げました。

とはいえ、もっと良くできる部分があるということは、
まだまだ自分が成長できる余地があるという証拠だと思っています。

これからも、その反省を活かして、さらに良い曲を作っていきたいと考えています。

というわけで、22日00:00に新曲「てあそびうた feat.カゼヒキβ」を公開予定です。

ぜひ聴いてみてください!

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それではまた!


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