Shenny

ゴルフは、午後の芝生を歩くような旅。2020年の122から始まり、少しずつ道が開け、2…

Shenny

ゴルフは、午後の芝生を歩くような旅。2020年の122から始まり、少しずつ道が開け、2024年には自己ベストの78を達成。挑戦を続け、芝生が僕を静かに導く。

最近の記事

ドローの恋人(スタックアンドチルトについて)

時間は止まる。ボールは右に出て左曲がっていく。スタックアンドチルトというゴルフの打ち方は、まるで一つの哲学のように、あるいは村上春樹の小説に出てくる人生の一節のように感じられる。 スタックアンドチルトの打法は、ただの技術ではなく、一つの生き方、一つの哲学だ。左足に体重を残し、まるで木が大地に根を張るように、動かない軸を中心にして、あなたはドローという完璧な曲線を追い求める。重心は常に左足に置かれる。右に流れることはない。体はその場に留まりながらも、力強く回転する。左足にかけ

    • 風の歌を聴け(自分のやり方を信じる事について)

      あなたのプレーにはもうすでに答えがある。 ラウンドに立った時、風の音が少し違うと感じることがある。それは、ただの風じゃない。心の声だ。右に流れる風、左に舞い上がる風。すべては自分との対話で始まり、終わる。そして、その中でふと疑念が生まれる。「自分のやり方で本当にいいのだろうか?」と。 でもね、自分の道を信じること。そこに尽きるんだ。他の誰かのやり方じゃなく、君自身の足跡を残すこと。ドライバーを短く握ってまっすぐ飛ばすその瞬間、その感覚こそが君のものだ。それを忘れないで欲しい

      • ドライバーを短く持つことのメリット

        ゴルフのドライバーを短く持つというのは、ひとつの知恵のようなものだ。少し控えめに、だけど確かな感覚でクラブを握る。長く握ることで得られる派手な飛距離を一旦手放し、静かに、繊細に、自分とクラブとの距離を縮める。その過程で、僕たちはコントロールという新しい感覚を手に入れる。 長く持てば飛ばせる、それは確かだ。けれど、短く持つことで初めてわかることもある。クラブは腕の延長となり、ヘッドはまるで古い友人のように、信頼できる存在になる。スイングがより自然になり、フェースがボールに正確

        • 午後の最後の芝生(はじめに)

          ゴルフのスコアは、僕にとって午後の最後の芝生のようなものだった。遥かに続くフェアウェイ、その先に何があるのか、いつも少しだけ見えなくて、手探りで進む旅だった。始まりは、2020年の秋、瀬田ゴルフコース東コースでのスコア122。あのときの僕は、フェアウェイのどこまでも広がる緑に飲み込まれそうだった。まるで自分が打ち込んだボールがどこへ行くのかすら分からない、そんな感覚だった。 でも、時間が経つにつれて、その芝生の感触が変わり始めた。2021年、三木ゴルフクラブでのスコア118

        ドローの恋人(スタックアンドチルトについて)