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my story1: 闇からの希望。中学生の私が見つけた光

中学生の時、私はいじめにあい、思春期だったこともあって家族との関係も良くなかった。家でも学校でも居場所がなく、毎日息をするのも重くて、まるで酸素ボンベが欲しいと願うほど苦しい日々だった。親はとても厳しくて、自分の気持ちをどう表現すればいいかも分からなかった。ただ、毎朝目が覚めるたびに「また今日も耐えなきゃいけないのか」と思い、未来なんて全く想像できなかった。生きるのをやめたくて仕方がなかった。

そんな中、たまたま同じクラスにいた女の子が、私に一冊の本を勧めてくれた。それが大平光代さんの『だから、あなたも生き抜いて』だった。彼女はクラスの中の仲良しグループの一員(私を含まない)で、私のことを心配してくれていたけれど、周りの評判や状況もあって、私に寄り添いきれないところがあったんだと思う。でも、その優しさや心配してくれる気持ちは確かに伝わっていて、今思えば本当にありがたい存在だった。

光代さんの本を読んで、まず衝撃を受けたのは、彼女の過去の壮絶さだった。光代さん自身も私と同じようにいじめにあい、非行に走り、さらに極道の妻として生きるという驚くべき経験をしていた。自殺未遂にまで至った彼女が、その後メンター的な存在との出会いにより立ち直り、弁護士になることを決意し、最終的に多くの人を助ける存在へと変わっていった。

特に印象的だったのは、彼女が今、青少年犯罪の弁護に携わり続けているということ。自分が若い時、同じ立場だったからこそ、彼らに寄り添えると感じているのかもしれない。その使命感に生きる姿に、私は強い憧れを抱いた。「ここまで堕ちても、人は這い上がり、他の人を救える存在になれるんだ」と、初めて信じる根拠を見つけた気がした。

当時、自分を傷つけることでしか自分を感じることができなかった私は、いろんな気持ちが入り混じっていた。最初は「いなくなることができたらラッキー」くらいの気持ちで始めた行為だったけれど、気づけば、それが達成感に変わっていた。傷つけるたびに「自分はまだここにいるんだ」と確認していたのかもしれない。誰も気づいてくれない、自分なんて見られていないという孤独感の中で、心のどこかで「誰かに気づいて欲しい」と叫んでいたんだと思う。

未来が見えなかったのは、若さゆえというのもあったと思う。何もかもが暗くて、前に進む意味なんて見つけられなかった。「こんなに苦しくて辛いのに、生きる意味なんてあるわけない」と心の底から思っていた。でも、光代さんの本との出会いが、私にとって初めての希望だった。「この人がここまで立ち直れるなら、私もきっと変われるかもしれない」と、初めて未来に光が見えた瞬間だった。

続く。

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