兵庫県の井戸敏三・前知事が降ろされた理由
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もう5年も経ってしまいましたので、
2020年のパンデミック初年のできごとというのは
忘れてしまっている人も多いと思うんですが、
当時は、東京都や大阪府が感染源とされていたことから、
その周辺の都道府県との対立があって、
そのことが、翌年の2021年に、維新が擁立した斎藤元彦が、
兵庫県の知事に選出されることになったということで、↓
改めて、そのいきさつを振り返ってみたいと思うんですね。
まずは、感染源をめぐる対立。↓
【大阪府】吉村知事が、3連休中に兵庫県との行き来を
避けるよう呼びかけ。 (2020年03月19日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020031901351&g=soc
【兵庫県】井戸知事が、大阪との往来自粛について、
国から要請されたと明かす。 (2020年03月19日)
https://www.fnn.jp/posts/2020031920373813KTV
【兵庫県】大阪で感染経路不明者が相次いでいることから、
往来自粛を延長。 (2020年03月27日)
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20200327/2000027132.html
【兵庫県】井戸知事「(感染者2名の)感染源はつかめている。」
(約1か月ぶり。いずれも大阪で感染) (2020年06月22日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/764cb0b14c483b70a1dc6747f174810335175b4c
【兵庫県】井戸知事「東京は諸悪の根源。」(後に取り消し)
(2020年07月09日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/29afe06527e926d60d43f34b7f8baf8b52c77cbe
【兵庫県】井戸知事「感染源はきっと大阪だろう。」
(2020年08月08日)
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202008/0013586943.shtml
【兵庫県】東京や大阪との往来自粛を、県民に要請することを決定。
(2020年11月24日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201124/k10012729031000.html
吉村府知事と井戸知事のコロナ対策に関する評判。↓
新型コロナ対策で、「吉村さん頑張ってはる」
という高評価は兵庫県でも聞かれた。
逆に井戸敏三前知事への声は厳しく、
「大阪がうらやましい」と話す人さえいた。
兵庫県庁で取材をしていると、私の井戸前知事の印象は違う。
「コロナと災害の同時発生」を想定した
避難所設置マニュアルをまとめたり、
酒類の提供自粛を提唱したりと、
後に国が取り入れるアイデアも多かったし、実行も早かった。
しかし井戸前知事は、部下の進言を聞き入れず、
メディアでの「見せ方」を軽視し続けた。
前年に導入した「公用車センチュリー」の問題など、
余計な一言が火に油を注ぐ始末だった。
対する吉村知事の場合、
後で振り返れば成功した施策と言えるかどうかはともかく、
「構想段階で発表する」というスタイルは、
「仕事が早く見える」
「府民に安心感・信頼感を与える」効果を生んだ。
斎藤知事は維新の公認候補ではなかったが、
「吉村さんのような人」と考えて投票した、という声は多く、
維新に対する兵庫県民の目が変化しているのを感じた。
https://www.ktv.jp/news/feature/211112/
前の兵庫県知事の井戸敏三という人は、
自粛には熱心な人だったみたいですね。
一方で、吉村知事は、
自粛に後ろ向きな人だったんですね。
最初の頃は、状況が違っていて、
国から交付金が出るまでは
そうでもなかったみたいなんですが、
協力金については、井戸知事の方が
出し渋っていたみたいですね。↓
【兵庫県】休業要請に伴う補償は、しないと明言。
(ただし、臨時交付金による経済支援は検討中) (2020年04月13日)
https://this.kiji.is/622379780846814305
【兵庫県】休業要請を無視したパチンコ店の店名を公表する
との考えを示す。 (2020年04月21日)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20200421/2020007699.html
【兵庫県】介護職への慰労金の対象を絞る方針を示す。
(国は一律支給を要求) (2020年07月07日)
https://www.joint-kaigo.com/articles/2020-07-07.html
ということもあって、
公明党からすると、
維新にすげ替えた方が都合がいい
というのはあったと思うんですね。
それでこの斎藤知事が当選した時の県知事選挙では、
自民党の国会議員が応援していたらしいんですね。↓
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齋藤知事の事を【維新知事】と表しポストされる方がおられますが、斎藤を2021年の兵庫県知事選で推薦したのは日本維新の会と自民党です。
— 五国からなる兵庫県 (@hyogolove5) September 10, 2024
選挙資金の大半を自民党の潤沢な資金で賄った。
【維新知事】が躍る事での印象操作を齋藤知事を担いだ自民党議員は喜んでいますよ。それで良いですか? pic.twitter.com/LzASpsKUYd
あと、この写真には何故か含まれていませんが、
公明党も自主投票だったみたいですね。↓
斎藤氏は各年代から幅広く支持を集め、
「支持政党なし」とした無党派層の41.2%を取り込んだ。
金沢氏は立憲民主党支持層の58.6%に浸透。
自主投票とした公明党支持層からも、
斎藤氏を上回る47.1%の支持を得たが、及ばなかった。
共産党推薦の金田峰生氏は同党支持層の64.7%を固めた。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA183LD0Y1A710C2000000/
出口調査については、
たまにパソナの求人を見かけたりしますから、
調査結果には疑問符なんですが、
公明党が自主投票を呼びかけていたことは
事実みたいなんですね。
ふつうは自主投票じゃないとダメだと思うんですけどね。
2022年の尼崎市長選挙では、
維新の候補が落選していたんですが、
この時も創価学会が自主投票で、
対立候補に票が流れていたみたいなんですね。↓
この当選した松本市長を担ぎ出した前の市長の稲村和美が
今度の県知事選挙に出るらしいんですよね。↓
鍵を握ったのが強固な地盤を持つ公明党。
維新が今年9月、
公明現職のいる衆院兵庫8区(尼崎市)での候補擁立を示唆すると、
支持層に警戒感が広がった。
公明は「自主投票」としたが、松本氏に票が流れたとみられる。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202211/0015825804.shtml
この人も気になるんですね。↓
関係者によると、26日に稲村氏を支援する政治団体
「ともにつくる兵庫みらいの会」が設立された。
代表世話人は県の元広報官で社会起業家の湯川佳奈さんが務め、
弁護士や経営者、NPO関係者らが参加する。
https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202409/0018174683.shtml
こないだの都知事選挙でいうところの、
小池百合子と石丸伸二みたいなもんなんでしょうかねぇ。
経歴によると、ソフトバンクにいた人みたいですね。
で、話を戻して、2021年の兵庫県知事選挙なんですが、
斎藤知事の応援に入っていた自民党の議員団の
中心にいるのが菅義偉・前首相で、
この人は、創価学会とのパイプ役として知られている人で、
維新の議員なんかとも関係の深い人なんですね。↓
斎藤元彦は、選挙当時は、大阪府の職員でしたが、
元は、総務省(旧自治省)のキャリア官僚で、
菅義偉・首相(当時)ともつながってくるんですね。
自治省のエリート官僚の出世コースというのがあって、
そのゴールというのが、地元の都道府県で
知事になることらしいんですね。
当時の世論というのは、県知事選挙の時点では、
自粛する方に傾いていたと思うんですが、
創価学会員だとか、菅義偉の地元後援会の人たちというのは
今どき珍しく個人商店とか飲食店が多いそうで、↓
"「創価学会の活動を支える熱心な学会員には
商店主や自営業者などが多く、
今回のコロナ自粛で
経営や生活を直撃されている層に重なる。"
https://web.archive.org/web/20200702092142/https://news.livedoor.com/article/detail/18507215/
かなり露骨に抵抗をしていたみたいなんですね。↓
首相と公明代表が会談 感染防止と経済両立を確認 ( 2020年11月19日 )
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66409330Z11C20A1000000/
"公明党は同事業の延長を求めている。"
【公明党】山口代表が、東京も「Go To トラベル」に加えるよう政府に要望。( 2020年8月25日 )
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/43542.html
【公明党】「Go To トラベル」を、来春の大型連休まで継続するよう提言。( 2020年10月27日 )
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201027/k10012683011000.html
公明の重点政策に「新・Go Toキャンペーン」感染収束を前提に ( 2021年7月11日 )
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210711/k10013132621000.html
そんなこともあってかして、
ニュース報道でも、変な食い違いがありました。↓
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、兵庫県は15日から5月6日まで、
民間の遊興・運動施設などに休業を要請する。
他の自治体と同様、休業に伴う損失補償は困難との姿勢だが、
協力事業者への経済的な支援策を検討する。
14日に記者会見した井戸敏三知事は近く県議会に、
2020年度の補正予算案を提出すると表明した。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO58042000U0A410C2LKB000/
4月15日、吉村は、休業要請に協力する事業所などへの支援策として、
中小・零細企業に一律100万円、個人事業主には
一律50万円の支援金を給付する案を表明。
これについて、会見での井戸の反応は相変わらずだった。
「大阪だけの立場で判断しないでくれと伝えた。
とても(財源が)ついていけない」
しかし、ことばとは裏腹に井戸は周辺に
「できれば大阪と同じ額にしたい」と話していた。
動きは素早かった。
翌日、県は県内の一部の首長に財源の3分の1を負担してもらえないか打診。
さらに国の臨時交付金を充てられるのか総務省に確認していた。
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/37634.html
まあ、頭にきていた人が多かったと思うんですね。
菅義偉内閣では、休業要請はほとんどなくて、
時短要請とお金配りでしたから、
前から流行ってなかった小さいお店は
すごい儲かっていたみたいですね。
しかし、そんなことで引きずり下ろすことはできませんから、
公用車の問題だとかで批判するしかなかったんだと思うんですね。
井戸知事からすると、
「20年間続けてきた中で、こんなことは初めてだ!
どうしてこの程度のことで!」
というのはあったとは思うんですね。
当時の安倍首相が、
健康問題を理由に途中降板されて、
菅義偉にバトンタッチしましたが、
コロナというのは、長い事やってた人たちにとっても
相当こたえた、ということなんだと思うんですね。