シャトルバスドライバーは本日も快走中です!!#8
5月16日(木)21:27「アリガトウゴザイマス。マタ、ヨロシクオネガイシマス」
その男性のお客様はバスを降りるときに、いつも私にこう言ってくる。
「アリガトウゴザイマス。マタ、ヨロシクオネガイシマス。オヤスミナサイ」
いかにも「日本語、一生懸命勉強してます」感が微笑ましく、かつ「日本語、上手に話すなあ」と思わず尊敬してしまう外国人のお客様も、ショッピングモールのシャトルバスにご乗車してくる。
もちろん、外国のお客様と言っても「日本に観光に来た」お客様ではなく、いわゆる「外国人労働者」と思われるお客様だ。
そのお客様は私の乗務するシャトルバスにも何回かご乗車されており、20時台に「駅→ショッピングモール」、21時台に「ショッピングモール→駅」がお決まりの時間である。
年齢は20代くらいで、いつも「男性1人、女性1人」の2人で一緒に乗車してくる。ただ、恋人という感じではなく、むしろ「友達同士」に見える。
なぜ、友達同士に見えるのかというと、その「外国人2人」のお客様は、決まって「運転席に近い」一番前の席を陣取るものの、2人掛けの席に一緒に座ることがないからだ。つまり、2人はいつも「通路を挟んで1人ずつ」座っていることになる。この時間は、席が空いている時間ではあるので、余裕を持って座ることが可能である。だから、「あえてキッチリ詰めて」座る必要は全く無く、「国民性」と言われてしまえば、それまでのことであり、「友達同士でない」とも言えなくもない。
その、「バスの一番前の席に陣取り、通路を挟んで座っている」2人は、私にとっては「何語?」すら判断できない言語で、普段は会話をしている。会話の内容は当然、解らないことにはなるのだが、いつも「明るいテンションで笑いながら」話をしており、とても楽しそうである。
私の運転する「真後ろ」で「通路を挟んで」の会話となっていても、決して耳障りになるようなことはない。逆に、なぜか私も楽しい気持ちになり、元気をもらっているくらいだ。
人手不足で「外国人労働者」に頼ろうとしている日本。「日常に外国人」は、今では珍しくない光景となっている。
私は「行政書士開業を目指す」一人であり、行政書士の主要業務の一つである「入管」に関連する「外国人労働力」に関するニュースは、よく目に留まる。
「安い外国人労働力を都合よく使おう」とする従来の「技能実習制度」は、転職を可能としないことから、外国人労働者を低賃金かつ劣悪条件で働かせることや、パワハラが横行することで、「失踪者を数多く出した」というニュースを目にした読者様も多いのではないだろうか。一部では「現在の奴隷制度」とも言われた、この制度は「特定技能制度」に変わり改善が図られてはいるものの「安い外国人労働力を確保したい」本質は変わっていない。
円安が進み、外国人労働者にとっても「さらに魅力がなくなりつつある」日本。「外国人労働者にも選ばれなくなった場合」の日本はどうなってしまうのか?
現在、ど底辺アルバイターの私も、この「外国人労働者」となる人たちと将来、向き合って仕事をすることもあるかもしれない・・・
その2人のお客様は、バス降車後は「駅とは反対」方向に一緒に歩いていく。その間も常に「楽しそうに話している」のが印象的だ。
彼らも、いづれ「祖国に帰る」または「引き続き日本で仕事をする」の選択をすることであろう。その時にこの2人は、今のように「楽しそう」に「日本で仕事をする選択」をするのであろうか?
彼らの降車時には私も負けずに、こう答えている。
「ありがとうございました。おやすみなさい!!」
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