私に影響を与えた本、2023年上半期
2023年頭、1年の抱負として本を読むことを挙げた。
はやくも今年半分が終わるが、今のところ順調に本を読む習慣がついている。
その中でも特に印象深く、私の思索に影響を与えた数冊を記そうと思う。
『自分の中に毒を持て』(1993)
岡本太郎 著
こちらは別記事に載せている。
出会うべき時に出会った本で、これからも何度も読み返すであろう。
『つぎはぎ仏教入門』(2016)
呉智英 著
ある時、自分の思索の方向が少し仏教に近いのではないか、と考えた。
しかし仏教とは何か、を本当に会得しているか?と言われるとそうではなかった為、勉強しようと思った。
仏教の用語や事象は日常的に使用する同義語と異なったり、または全く触れたことがないものも多くある。
そこで出てくる言い換えの具体例が大変わかりやすい。
またひとつの思考に偏りかけた時に、一般論を引き出して冷静な感覚を取り戻せるように仕向けてくれているので親切だと感じた。
著者が無宗教の観点から歴史を説明する形式なので、どのような経緯で成り立ち、広まり、変容したかが第三者視点的に勉強できる。
今日本で当たり前にある仏教やその派生の見方も変わる。
何より根本の、釈迦の考えにしっかりと触れることができたのが良かった。
『謎の村上春樹』(2013)
助川幸逸郎 著
村上春樹本人についてや、村上の著書内容についてさまざまな角度から考察した一冊である。
父の影響で昔から村上春樹に親しみがある私。
村上の表現であったり、世界観が好きなので、気になって読み始めた。
村上の思考の要因を時代背景から取り上げたりと、在りし日本や欧米の姿も勉強になった。
村上の作品(村上自身)は、すべてを相関的にとらえる仏教・座禅のようなクールダウン型に近い。劇的展開が連続するような小説ではない。
私自身と村上小説の相性が良い理由はここにあるように感じた。
伝記的、第三者が描くものは(きっと)本人が意図していなかったり、気付いてないものも含まれるだろうという点の+αがあって面白いなと思う。
今度は村上自身の言葉が中心のインタビュー集なども読んでみたい。
『岡潔 数学の詩人』(2008)
高瀬正昌 著
「数学」と「詩人」は並ぶことのない単語だと考えていたが、このように連なると大変心惹かれるものである。
岡の数学との向き合いようや、随筆に引用される言葉など感銘を受けた。
また偉大な発見も、当時は理解されず生活を支えるものがなかったという内容に大変心が痛んだ。
この文章を受け、絵を描いた。
作品に関しては後日解説予定である。
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当初は自身の思索をうまく言語化するため、また語彙数を増やすことが目的であった。
しかし実践してみるとそれ以上に、自身の思索自体にいい影響を及ぼすようになった。
これは良い発見である。
インプットが無ければアウトプットができない。
これからもジャンルにとらわれず、様々な本に触れて行きたい。