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研究者こそ政治家に次いでシープルになるリスクが高いことを自覚せよ

大学や企業で研究をしている人は多いが彼らは何を目指しているのかご存知であろうか。
 私も研究に従事していたことがある。生化学の研究。
 新規性(ドイツ語で ノイエス)を求めてのものである。
 テーマは非常に細かいところで行う。
 それでも、同じ様なことをやっている人が世界に2−3ヶ所ある。 
 言ってみれば彼らとの競争になる。
 先を越されたら意味はない。

 それに勝って見事に新規性を会得したらどうなるか。
 分野にもよるが、そこから自分独自の研究が深く幅広く進むことになる。
 そこは自分の独擅場(どくせんじょう)である。
 それが新たな論文につながり、上手くするとパテントを取れたりする。
 研究費も当たる様になると研究者として一人前。

 二人の成功した研究者を紹介したい。
 一人は
 新規性を得て、それが評価されてヨーロッパに招聘されて留学。
 私も留学したが、あくまでも勉強、悪い言葉で言うと下働き。
 しかし、彼は違う。その研究室で必要な人間、ということで、教える立場で留学。もちろんサラリーも出る。
 そのようなことが評価されて今、日本で歯科大学の教授をしている。

 もう一人は、60代後半の老練な研究者。 
 今、アメリカで研究者として生活している。
 若い時の研究が当たり、その研究室の牽引車的な存在。

 いかがであろうか。
 一生懸命研究したことが実り、一生研究者として食べていける。
 こんな嬉しいことはないと思う。

 さて、ここで新規性を他人に取られたらそのようなチャンスはその他人に回ってしまう。厳しい一面もある。新規性(ノイエス)が取れなければいつまでも下働き。パッとしない日々が続く。いずれ花が咲くときもあるかも知れないが・・・・

 だから・・である。新規性を人に盗られてはいけない。

 ChatGPTか、Geminiが、はたまた、話題の中国のDeek Seekか知らないが、そこに自分のデータをぶち込んで、論文を書かせることもできよう。
 しかし、それをした瞬間に自分の宝とも言えるデータが人手に渡ることさえある、と心得たい。
 簡単な挨拶文や、紹介文、新規性も秘密でもないものであれば、このようなものを使って簡単に文章を作ってもらうことも良いであろう。
 しかし、使い方には注意したい。ひょっとしたら、自分の人生が人に盗られてしまうことさえあるのだ。
 いや、これらのものは、その目的のために作られている、と言っても良いであろう。

 あと、英語を和文に翻訳したり、和文を英語にする翻訳アプリもある。
 便利である。
 私も英語論文を日本語に訳するのに愛用している。
 しかし、これだって、自分の研究を英語論文にするために、どさっと使ってしまうとその瞬間に、他人に渡ってしまうかも知れないのだ。
 それを心得たい。

 何も考えずに、ChatGPTや翻訳アプリを使っているとそれこそ、シープルになるぞ。


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