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学習塾の現役教室長が辿り着いた、大人も子供も使える効率の良い勉強法・暗記法【有料記事級】

学習塾の教室長をしています、シエシ度です。
勉強そのものを教えたいというよりは、生徒さんが正しい勉強方法を身につけることで、より人生を豊かで自由なものにしてほしいという願いを持って働いています。

小学生から高校生まで様々な生徒さんに勉強方法を伝授していくうちに、ようやく殆どの人に合っているであろう最強の勉強方法を確立することができましたので、紹介しちゃいします。

  • これから何かを勉強しようと思っている

  • 今勉強を頑張っていて効率を上げたい

  • 自分の子供に正しい勉強法を教えたい

そんな方々に向けた内容となっております。
数年間様々な生徒さんとかかわって確立した内容ですので、有料記事級の価値はあると思います!


Ⅰ.はじめに・注意事項

  • 効率の良い勉強方法を8つのステップで紹介していきます。

  • 勉強する方の年齢や能力によっては、今回紹介する方法の全てを実施することが難しい場合がございます。

    • 勉強する方の年齢は11歳以上を想定しています。

    • 一部だけでも効果はありますので、取り入れられるものから実践してください!

  • 勉強する内容によっては適さない場合があります。

    • ここで言う「勉強」は、知識の暗記を伴うものを想定しています。

    • 完全に初見の外国語など、全く手も足も出ないものはインプットとアウトプットの順番を入れ替えていただいた方が良いかもしれません。

    • 状況に応じてカスタマイズしていただき、ご自分に合った勉強方法として確立していただけますと幸いです。

  • 重要なポイントをご理解いただくため、勉強方法より先によくある6つの間違いから勉強のポイントを紹介いたします。

Ⅱ.よくある6つの間違った勉強法と改善ポイント

①✖教科書などでインプットしてから問題を解こうとしてしまう

「最初に読む」という勉強方法は、基本的に効率が悪いです。
理由は主に次の2つです。

  1. 何が重要なのか、重要でないのかを知らないため、的確な情報の取捨選択をできず頭に入りにくいから

  2. あまり身についていなくても、時間と労力ばかりかかるので勉強した気になってしまうから

※ただし前述した通り、完全に初見の外国語など、全く手も足も出ないものはインプットを先にしていただく方が良い場合があります

ですので僕は、いきなり問題を解くことから始めるべきだと考えています。

殆ど内容を理解していなかったとしても断片的な知識や経験を頼りに10秒ほど考える→解答を見て学ぶ、という流れが経験上最も頭に入ります。

また、問題として出題されているくらいですから、そこで問われている内容は重要なんです。
問題を先に見ることで何が重要なのかも分かるので、情報の取捨選択が出来るようになり、のちのインプットの質が上がります。


②✖ひたすら書いて覚えるという暗記法に固執してしまう

確かに漢字や英単語など、体に覚えさせることで身につくものもあります。
特に年齢が低いうちは沢山書くべきです。

しかし例えば47都道府県の場所と名前を覚える際、何枚もの白地図に何周もも書き込んでいく必要があるのでしょうか。

このケースでは、予め答えを赤シートで消えるペンで書き込んでおき、赤シートを活用して覚えるのが最も効率的と考えます。

こんなイメージです
(出典:https://www.okadori.net/todohuken/)

暗記のコツは、とにかく自分にテストを課し続け、頭を働かせ続けることです。
そして、短いサイクルで何度もテストすることです。

例えば僕が都道府県を覚える場合、赤シートで消えるペンで答えを書きこんだのち、赤シートで隠して地方ごとにテストします。

この時ペンは持ちません。
書く時間と労力がもったいないからです。
また、ペンを持つという儀式は勉強のハードルを上げてしまいます。
漢字で書けるかが不安なら、後ほど漢字練習をします。
今は都道府県の場所と名前を覚えることが目的なので、これに集中します。

東北地方の1回目のテストをして、青森と福島以外分からなかったとします。
そしたらすぐに2回目のテストを行います。
今度は岩手と宮城も分かるようになりましたが、まだ分からなかった県が残ったとします。
すかさず3回目を行います。
今度は秋田と山形も分かるようになりましたが、岩手と宮城の場所を逆に回答してしまいました。
4回目を行います。
全部正解できましたが、山形と宮城の名前が瞬時に出てきませんでした。
5回目を行います。
スムーズに全問正解できたので、次の関東地方に進みます。

しかし一度覚えたことでも、5分後には忘れているものです。
ですので、時間が経ってから再度テストします。

東北地方を覚えたときと同じ要領で関東地方を覚えたとします。
そしたら次は中部地方に進むのではなく、もう一度東北地方のテストをします。
全問正解できなかった場合、もう一度覚え直します。
東北地方を全問正解できたら、また関東地方のテストをします。

これまで覚えた内容を全問正解できたら、ようやく中部地方に進みます。
中部地方を覚えた後は近畿地方に進むのではなく、また東北地方に遡ってテストします。

このように一度覚えた内容を繰り返すことで、記憶が定着しやすくなります。
とはいえこれだけやっても次の日になったら忘れていることもあると思いますので、長期記憶として定着するまで翌日以降にも同様のテストを行います。

余談ですが、僕は英単語の暗記もペンを持たずに行っています。
単語帳の英語部分を手で隠し、意味を見て英語を考え、声に出して発音しながら空中に指で書くというテストを自分に課しています。
この方法ならベッドの上でも交通機関での移動中でも勉強できますので、暗記のハードルがぐんと下がります。


③✖問題を解くことに重きを置いてしまう

僕が口を酸っぱくして生徒に言っている言葉があります。

「問題を解くことは勉強じゃないです。
勉強とは、今知らないことを知り、出来ないことを出来るようにすることです。
問題を解くことはあくまでそのための手段でしかないです。」

つまり、問題を解くうえで下記の3つは絶対にやってはいけないということです。

  1. 問題を解くことに満足してしまい、丸付け(=正しい答えや習得状況を知ること)を怠る

    • →問題を解いただけなので何も身についていないうえに、自分が何を分かってて何を分かっていないのかを把握できていない

  2. 難問に出くわした際、何十分も考えて止まってしまう

    • →すぐに解答を見て、知識や解き方を習得することに時間と労力を割くべき

  3. 問題集を1周だけ解いて満足してしまう

    • →目的が問題集を埋めることにすり替えられており、本来の目的である「勉強」を達成できていない

もし分からなくて解答を写すことになるとしても、まずは10秒ほど全力で考えてから写すことで脳に印象付けることができ、頭に入りやすくなります。

また、問題を解くことで自分が今何を分かっていて、何を分かっていないのかを把握することができます。
1周解いて不正解だった問題は、②で紹介した暗記法と同様の要領ですぐに2周目・3周目を行うことで覚えることができます。

こういった「問題を解くこと」の役割や目的を明確にして意識することで、問題を解く時間をより有意義にすることができます。


④✖覚えたか・出来るようになったかの確かめを軽視してしまう

学校のテストの点数が悪かった生徒からよく聞く言葉があります。

「ワークを3周したのに点数が取れなかった」
「漢字を10回ずつ書いて練習したのに本番で全然書けなかった」
「やり方は分かったのに時間が無くて解ききれなかった」

これらの原因は全て、覚えたか・出来るようになったかの確かめをしなかったことにあります。
②の暗記法のところで紹介したのと同じ要領で自分自身にテストを課せば、習得できたかどうかの確かめができます。

覚えた・出来るようになったつもりでも、案外出来ていないものです。
テストしてみてその時点で出来ていなければ、その場で出来るようにすればいいだけの話です。
もちろんその場合は、後日また習得したかの確かめ(=テスト)は必要になります。


⑤✖複数回に分けず、一度に多くを学習しようとしてしまう

脳に深く刻まれるかどうかは、出会った回数で決まります。

例えばある人と合計1分間過ごすとします。
1日にまとめて1分間一緒にいるより、
1日5秒、挨拶だけして12日間会った方が、その人の顔は長く覚えていられるはずですよね。

勉強も一緒です。

例えば7時間分の勉強をこなすとします。
1日にまとめて7時間勉強するより、
1日1時間を7日間に分けた方が、長く覚えていられるはずです。

ですのでほんの少し、5分だけでもいいので、とにかく毎日勉強することをおすすめします。
その結果1週間の勉強時間が合計35分だけだったとしても、その一つ一つの定着度が高いはずなので、一日にまとめて2時間詰め込んだ人よりも、或いは長期的に見て知識の量や質は高いかもしれません。

僕は生徒にテスト勉強は3~4週間前からするよう言っていますが、
一日の勉強量は多くなくて良いとも言っています。

「そんなに前から勉強したら忘れちゃうよ~」
とよく言われますが、忘れたら覚え直そうと切り返しています。

忘れたら覚え直すを繰り返すことで、目先のテストだけじゃなく、その先の入試や将来も活用できるレベルでの長期記憶として定着させることができると信じているからです。


⑥✖あらゆる娯楽を禁止・我慢してしまう

中毒になるレベルでハマってしまっているものがあれば距離を置くべきだとは思いますが、そこまででない限り、娯楽や息抜きの道具は禁止・我慢すべきでないと思います。

人間、ずっと走り続けることはできません。
ずっと走っていてはだんだん速度が遅くなり、遂には止まってしまうことでしょう。
ですが、休憩を挟むことでまたある程度の速度で走ることができます。

勉強も同じです。
意図的に休憩を挟むことで、高い効率を維持することができます。

そして休憩とは、何もせずただ寝ることだけのことではありません。
もちろんそれは休憩にはなり得ますが、
それよりも僕は脳が喜ぶような栄養(?)を与えてあげる方が、勉強に於いては効率的な休憩であると考えます。

僕は受験生に、
45分間全力で勉強して15分間全力でゲームをするという1サイクルを1日に最低3回は繰り返しましょう、
ただし勉強時間に勉強以外をすることも、ゲームの時間に勉強をすることも絶対に禁止ですと伝えています。

こうすることで好きなことを我慢することなく、しかも自然と適度に休憩が挟まるので、効率よく勉強することができます。

人間が全力で集中できる時間はせいぜい45分程度と考えています。
いたずらに娯楽を禁止して長時間だらだら勉強するよりも、多少勉強時間が少なくなったとしても、娯楽を摂取しながらメリハリをつけて取り組んだ方が、かえって多くを習得できると考えています。

余談ですが、塾をやっているとゲームやYoutubeを全面的に禁止しているご家庭をたまに見かけます。

ですが長い人生、楽しいものからの誘惑を避けて生き続けることはできませんよね。
子供が親元にいるうちはあらゆる娯楽から遠ざけてあげることはできますが、親元を離れた後はできなくなります。

だったら娯楽を完全に禁止してしまうよりも、子供のうちからその誘惑に打ち勝つ方法や、娯楽と上手に付き合っていける方法を習得させてあげるべきと考えます。
頭ごなしに何でもかんでも禁止してしまうことは簡単ですが、それは子供のためにならないような気がしています。


Ⅲ.最強の勉強法8ステップ

長らくお待たせいたしました。
これまでの内容を踏まえて、僕が思う最強に効率が良い勉強法を8つのステップに分けて紹介していきます。


①勉強時間の1サイクルを設定してタイマーをセットし、赤シート・赤シートで消えるペン・まとめ用のノートかスマホのメモ帳アプリを用意する

おすすめは1サイクル45分勉強→15分休憩です。
45分の勉強時間中は勉強以外してはいけませんし、逆に15分の休憩時間中は勉強をしてはいけません。
どんなに勉強が半端になってしまったとしても、時間が来たら休憩しなければいけません。

休憩時間中は勉強以外なら何をしても良いです。
ベッドに横になってもいいですし、ゲームをしても構いません。
ただし、時間が来たら絶対に勉強を始めなければいけません。

ある生徒は「ベッドに横になってカーテンの模様を見つめて休憩しています」と言っていました。
休憩の癖が強いですね。


②問題を解き、とにかく思考する

基本的には教科書などのインプットをすっ飛ばして、いきなり問題を解くことから始めます。
理由は前述の通りですが、要するにこの後のインプットの効率を上げるためです。

殆どの内容は後から赤シートを使って覚えるのが効率的なことが多いので、直接書き込まないで別のノートに書くか、後から消せるよう鉛筆等で薄く書き込むようにします。

分からなくても1問につき10秒は考えるようにします。逆にそれ以上考えることだけに時間をかけてはいけません。
この時点で問題が解けるかどうかは重要でないので全問分からなくても構いませんが、とにかく1問につき10秒は一旦全力で考えるというプロセスが重要なので、省略しないようにします。
また、本番のテストではないので当てすっぽうで答えるのはNGです。

内容にもよりますが、5問~10問、もしくは1ページ解いたら次のステップに進みます。
一度に多く解きすぎないようにします。


③正解を知り、自分の中に落とし込む

模範解答を見ます。

出来なかった問題には鉛筆で✖をつけます。
この時、赤ペンで○を付けることも、正しい答えを書き込むことも絶対にNGです。
○を付けないのは見やすさを維持するためですが、正しい答えを書き込まないのは後から何回も解くためです。

✖だった問題はその場で正しい答えを理解し、覚えます。
模範解答についている解説だけでは情報が足りない、理解できないという場合は教科書やインターネットなどから必要な情報をインプットします。
頼れる人がいるのであれば質問するのも良いでしょう。

全問題の理解と暗記が完了したら、✖だった問題の回答欄に赤シートで消えるペンで正しい答えを書き込みます。
○だった問題は書き込む必要はありませんが、心配な問題は書き込んで✖にしても良いと思います。


④全問正解するまで繰り返す

赤シートを使い、2周目を解きます。
この時、漢字などの書くことが重要と思われる内容でない場合は、書いて答える必要はありません。
書くことは時間と労力がかかるので敷居が高いのと、書いて覚える効果を高めるよりも、短い時間で何度も解いた方が覚えるうえで効率が良いためです。

2周目以降で正解した問題も、✖は消さないでください。
その時点で覚えていたとしても、時間を置くと忘れてしまう可能性が高いからです。

2周目でも全問正解できなかった場合は3周目→4周目と繰り返しテストし、全問正解になるまで繰り返します。


⑤覚えた内容をノートやメモにまとめる

全問正解できたら、覚えた内容を自分の言葉でまとめ用ノートやスマホのメモ帳アプリにまとめます。
教科書のように全ての内容を記載するというよりは、自分が重要と思う内容や、覚えていられなそうな内容のみを記載します。
自分専用の教科書のようなイメージです。

勉強した内容を忘れてしまったときや、思いついた時にぱっと取り出せるものにまとめるのが良いです。
内容にもよりますが、大人の方であればノートよりもスマホのメモ帳アプリの方が良いと思います。
理由は、ノートを持ち歩くよりもスマホを持ち歩く方が携帯する敷居が低く、すぐに取り出せるからです。

数学や漢字など、手書きの方が望ましい内容の場合はノートでも良いですが、iPad等のタブレットを持っている場合は活用してもいいと思います。


⑥(教科書等があれば)周辺情報や補足情報をインプットする

比較的重要ではあるが問題に出題されていなかったり、解説に書いていなかったりする内容がある場合は情報が不足してしまうので、教科書等を使い広く深く知識を補強します。
これまでのプロセスを経て核となる部分は理解できているはずなので、情報量の多いページだったとしても理解がスムーズになっているはずです。

インプットする中で重要な情報が出てきた場合は、先程まとめたノートやメモ帳アプリに追記します。


⑦勉強を終える前に、その日解いた全問題をもう一度テストする

もう疲れた頃と思いますが、どんなに面倒くさくても絶対に省略してはいけないプロセスです。
勉強した直後ですらもう忘れているのであれば、時間を置いたら絶対に忘れてしまうからです。

どうしても面倒な場合は✖が付いている問題だけでも構いませんが、出来れば○だった問題も含めて全問解くことをおすすめします。
理由は、一度意識を✖だった問題から離れさせることで、✖だった問題の答えを思い出すことのハードルを上げることでテストの精度を上げるためと、もしかすると○だった問題から新たに✖が出てくるかもしれないためです。

というわけで、1回目は○だった問題の中で新たに解けなかった問題が出てきたら、残念ですが✖を付けて赤シートで消えるペンで正解を書き込んでおきます。

もちろん、この時解けなかった問題が1問でもあればもう一度最初からテストし直します。
全問正解するまで繰り返し、全問正解したらようやく勉強は終了です。


⑧3回以上繰り返し問題を解く機会を設ける

ここまでの勉強を1回とカウントします。
✖だった問題は最低でもあと2回、テストする機会を設けます。

2回目は勉強した当日の寝る直前、3回目は翌日の朝か寝る前に行うのがおすすめです。
この時も、全問正解するまでテストを繰り返します。

一発で全問正解できなかった場合や、全問正解だったとしても不安が残る場合は、その翌日あたりに4回目を行いましょう。
このようにして不安がなくなるまで5、6、7回目…と繰り返します。

どんなに苦手な内容でも7回やれば覚えられると聞いたことがあるので、7回目まではめげずに取り組みましょう。


いかがでしたでしょうか。
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また次の記事でお会いしましょう。

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